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最終更新: (令和7年8月1日以降の制度に対応)

失業保険をもらうと扶養から外れる?——「日額3,612円」の目安を正しく理解する

結論: 失業保険(基本手当)を受け取ると、健康保険の扶養から外れる場合があります。判断のカギは基本手当日額。協会けんぽの目安では、日額3,612円以上(認定対象者が60歳以上・一定の障害者は5,000円以上)になると、年収換算で130万円(180万円)以上とみなされ、受給期間中は扶養から外れます。反対に3,611円以下ならとどまれるのが目安です。ただし、この基準は健康保険組合によって異なることがあるため、必ず加入先に確認してください。

30秒でわかる 失業保険と扶養の関係

扶養に入れる目安年間収入130万円未満(認定対象者が60歳以上・一定の障害者は180万円未満、19〜23歳は150万円未満)。この収入に失業給付も含まれる
外れる目安(日額)基本手当日額3,612円以上(60歳以上・一定の障害者は5,000円以上)。3,611円以下ならとどまれる目安
計算の根拠130万円 ÷ 360日 ≒ 3,611円 → 3,612円以上で年130万円以上とみなす
待期・給付制限中まだ支給がないためとどまれる扱いをする健保もある(受給開始で外れる)。扱いは健保による
外れる間の手続き自分で国民健康保険+国民年金に加入(原則14日以内)。受給終了後に扶養へ戻す

自分の基本手当日額は失業保険シミュレーターで試算できます。「年収の壁」全体は年収の壁シミュレーター年収の壁とはから。

1. 扶養の基準は「年間収入130万円未満」——失業給付も収入に入る

健康保険の被扶養者(配偶者や家族の扶養に入っている人)になれるのは、主として被保険者の収入で生計を維持し、年間収入が130万円未満であることが目安です。認定対象者が60歳以上または一定の障害者の場合は180万円未満19歳以上23歳未満(配偶者を除く)150万円未満に基準が変わります(協会けんぽ)。

ここで見落とされがちなのが、この「年間収入」には雇用保険の失業給付(基本手当)も含まれるという点です。給与だけでなく、失業給付・公的年金・傷病手当金なども収入として数えられます。つまり、退職して失業保険を受け取っている間は、その手当の額によって「扶養に入れるかどうか」が判定されることになります。

パート給与での判定については130万円の壁とはパートの社会保険加入で詳しく解説しています。

2. カギは「基本手当日額3,612円」——年額でなく日額で見る

失業給付は、実際には数か月で受け取り終えることが多く、年間の合計額が130万円に届かないこともあります。それでも扶養の判定は、受給期間中の「日額」を1年間続いたと仮定して行うのが一般的です。具体的には、基本手当日額 × 360日が130万円以上になるかどうかで見ます。

基本手当日額年換算(×360日)扶養の目安
3,611円約1,299,960円とどまれる目安
3,612円約1,300,320円外れる目安
5,000円(60歳以上・障害者の境目)約1,800,000円60歳以上等はここで外れる

130万円 ÷ 360日 ≒ 3,611円なので、基本手当日額が3,612円以上だと年収130万円以上とみなされ、扶養に入れないのが目安です(協会けんぽ)。60歳以上・一定の障害者は180万円 ÷ 360日 = 5,000円が境目になります。基本手当日額は退職前6か月の賃金と年齢で決まるため、多くの人がこの3,612円を上回ります。「失業保険をもらう間は扶養を外れる可能性が高い」と考えて準備しておくと安心です。

自分の基本手当日額は失業保険シミュレーター、月給×年齢別の一覧は金額早見表で確認できます。

3. 待期・給付制限の間は?——「受給していない期間」の扱い

失業保険には、実際に基本手当を受け取っていない期間があります。全員共通の待期7日と、自己都合退職の給付制限期間(令和7年4月以降は原則1か月)です。これらの期間は手当が出ていないため、多くの健康保険では次のような取り扱いになります。

ただし、これはあくまで一般的な例です。「受給予定であること」を理由に受給開始前から扶養を外す運用をする健康保険もあり、扱いは健康保険組合によって異なります。いつ外れていつ戻すのか、どの書類が必要かは、必ず加入先の健康保険(協会けんぽ・健保組合)に確認してください。

自己都合の給付制限の仕組みは失業保険は自己都合だといつから?、会社都合(給付制限なし)は会社都合退職の失業保険で解説しています。

4. 扶養から外れる間の手続き——国民健康保険への切替

受給中に扶養から外れると、その間は自分で公的医療保険に入る必要があります。多くの場合、次の流れになります。

① 扶養を外れる扶養している家族の勤務先を通じて、被扶養者から外す手続きをする(扶養喪失の証明書類を受け取る)
② 国民健康保険に加入市区町村の窓口で国民健康保険に加入(原則、扶養を外れた日から14日以内)。扶養喪失がわかる書類などが必要
③ 国民年金の手続き配偶者の扶養(第3号被保険者)だった人は、国民年金 第1号被保険者への切替が必要になる
④ 受給終了後再び扶養に入る手続きと、国民健康保険の脱退手続きを行う

国民健康保険料・国民年金保険料は自分で納めることになるため、失業保険(非課税)を受け取っていても、この保険料負担が発生する点は見落とせません。手続きの期限や必要書類は市区町村・健康保険で異なるので、退職・受給の前に確認しておくとスムーズです。

関連: 130万円を超えたらどうなる? / 扶養はいくらまで?

5. 「130万円の壁」と地続き——手取りナビの視点

失業保険の扶養判定は、パート・アルバイトでよく話題になる「130万円の壁」と同じ考え方です。どちらも「年間収入130万円未満なら被扶養者になれる」という基準を、収入の種類(給与か失業給付か)に合わせて当てはめているだけです。給与なら月額換算(おおむね月108,333円)、失業給付なら日額(3,612円)で見る、という違いがあります。

また、混同しやすいのが税金上の扶養(配偶者控除など)との違いです。ここで扱っているのは社会保険(健康保険)の扶養で、失業給付は非課税のため税金上の扶養(所得の判定)には影響しません。「社会保険の扶養」と「税金上の扶養」は別物として押さえておくと、判断を間違えにくくなります。

関連: 年収の壁とは(税と社保の違い) / 扶養控除とは

よくある質問

Q. 失業保険をもらうと健康保険の扶養から外れますか?
外れる場合があります。協会けんぽの目安では年間収入130万円未満(60歳以上・一定の障害者は180万円未満)が扶養の基準で、この収入に失業給付も含まれます。基本手当日額が3,612円以上(60歳以上等は5,000円以上)になると年収130万円以上とみなされ、受給期間中は扶養から外れる目安です。基準は健康保険組合により異なることがあります。
Q. 基本手当日額がいくらから扶養に入れなくなりますか?
協会けんぽの目安では、基本手当日額3,612円以上(3,612円×360日≒130万円)で被扶養者に該当しません。3,611円以下ならとどまれる目安です。60歳以上・一定の障害者は180万円未満=日額5,000円以上で外れる目安に変わります。健康保険組合により基準・計算が異なることがあります。
Q. 待期期間や給付制限期間の間も扶養から外れますか?
待期7日や自己都合の給付制限中はまだ基本手当が支給されていないため、その間は扶養にとどまり、受給開始で外れ、受給終了後に再び扶養へ戻す取り扱いをする健康保険もあります。一方、受給予定を理由に開始前から外す運用もあり、扱いは健康保険組合により異なります。加入先に確認してください。
Q. 扶養から外れたら手続きはどうすればいいですか?
扶養を外れる間は自分で公的医療保険に加入します。多くは市区町村の国民健康保険に加入し(原則14日以内)、配偶者の扶養だった人は国民年金 第1号被保険者への切替も行います。受給終了後は扶養へ戻す手続きと国民健康保険の脱退を行います。詳細は加入先の健康保険と市区町村に確認してください。
Q. 130万円の壁と失業保険の扶養は同じ話ですか?
地続きですが同じではありません。130万円の壁は主にパート給与での社会保険の扶養判定、失業保険の場合は基本手当日額(3,612円=年換算130万円)での判定です。どちらも「年間収入130万円未満」という被扶養者の基準を収入の種類に応じて当てはめたものです。なお失業給付は非課税なので税金上の扶養には影響しません。

次に確認したいこと

参考にした情報(一次情報・取得日2026年7月22日)

※基本手当日額の上限額等は毎年8月1日に改定されます。金額に触れる箇所は令和7年8月1日〜令和8年7月31日の額に基づく概算です。扶養の認定基準・日額の計算方法は健康保険組合により異なることがあります。

本記事は一般的な制度の解説です(2026年7月時点。全国健康保険協会・厚生労働省・ハローワークの公表資料に基づく概算・目安)。健康保険の被扶養者の認定基準や日額の計算方法は健康保険組合によって異なり、待期・給付制限中の扱い、扶養を外れる/戻すタイミング、必要書類も加入先により異なります。実際の判断は、加入先の健康保険と管轄のハローワーク、市区町村にご確認ください。個別のご相談には対応していません。
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