給料の「引かれるお金」がぜんぶわかる

最終更新: (令和7年4月1日改正・令和7年8月1日以降の制度に対応)

失業保険は自己都合だといつから?——給付制限「1か月」への短縮を正しく理解する

結論: 自己都合退職の失業保険は、待期7日+原則1か月の給付制限のあとに受け取れます。給付制限は2025年(令和7年)4月から原則2か月→1か月に短縮されました。「すぐもらう裏技」はありませんが、特定理由離職者に当たる教育訓練を受講するという正攻法で給付制限がかからない/解除される場合があります。会社都合よりもらえる日数は少なくなります。

30秒でわかる自己都合退職の失業保険

いつから待期7日+原則1か月の給付制限のあと(2025年4月改正)
給付制限が3か月になる人過去5年に2回以上の自己都合離職で受給資格決定(今回で3回目以降)/ 重責解雇
給付制限がかからない/解除特定理由離職者に該当 / 令和7年4月以降に教育訓練を受講した場合
日数会社都合より少ない(例: 35歳・勤続10年で自己都合120日 vs 会社都合240日)
金額(基本手当日額)退職理由では変わらない(退職前の給料・年齢で決まる)

自分の日数・金額は失業保険シミュレーター(退職理由を選んで試算)で確認できます。制度の全体像は失業保険とはから。

1. 2025年4月改正:給付制限が「原則2か月→1か月」に

自己都合で退職すると、待期7日のあとに給付制限期間が設けられ、その間は基本手当が支給されません。この給付制限が、令和7年(2025年)4月1日以降に離職した人から原則1か月に短縮されました。3月31日以前に離職した人は原則2か月です。

つまり、これまで「自己都合だと2か月以上あとまで無収入」と言われていた期間が、改正後は待期7日+給付制限1か月まで縮まりました。自己都合退職で「いつからもらえるか」を考えるうえで、まず押さえておきたい変更点です。

離職日自己都合の給付制限(原則)
2025年3月31日以前原則2か月
2025年4月1日以降原則1か月

給付制限は待期7日とは別の期間です。待期7日はすべての受給者に共通で、そのあとに(自己都合の場合)給付制限が続きます。

2. 給付制限が「3か月」になるケース

自己都合でも、次に当てはまる場合は給付制限が3か月と長くなります。

短期間に自己都合の退職・受給を繰り返している場合は、原則1か月ではなく3か月になる点に注意してください。1回目・2回目の自己都合離職であれば、原則どおり1か月です。

3. 「自己都合ですぐもらう」正攻法——裏技はない

検索では「自己都合でもすぐもらう裏技」といった情報を見かけますが、給付制限を不正にすり抜ける裏技はありません。虚偽の申告(会社都合を偽るなど)は不正受給にあたり、支給停止や、受け取った額の返還・さらに納付を命じられることがあります。一方で、給付制限がかからない・解除される正当な方法は存在します。

① 特定理由離職者に該当正当な理由のある自己都合(病気・けが、家族の介護、配偶者の転勤による別居回避など)は、給付制限がかかりません。会社都合に近い扱いで、所定給付日数が手厚くなる場合もあります
② 教育訓練を受講令和7年4月以降に教育訓練等を受講した場合は、給付制限が解除され基本手当を受給できます
③ そもそも短縮済み2025年4月改正で給付制限が原則1か月に短縮。以前より早く受給開始できるようになっています

①②に当てはまるかどうかは、離職票や事情をもとにハローワークが判断します。心当たりがある場合は、手続きの際に事情を正確に伝えて相談してください。

4. 自己都合と会社都合で「日数」がこれだけ違う

1日あたりの金額(基本手当日額)は退職理由では変わりません。差が出るのはもらえる日数(所定給付日数)受け取り始める時期です。会社都合(倒産・解雇などの特定受給資格者)は給付制限がなく、日数も手厚くなります。

同じ条件で比較自己都合会社都合
35歳・被保険者期間10年
月給30万・基本手当日額6,207円
120 日
約744,840円
240 日
約1,489,680円
45歳・被保険者期間20年
月給35万・基本手当日額6,494円
150 日
約974,100円
330 日
約2,143,020円

当サイトの計算エンジンによる試算(退職前6か月の月給が一定・賞与なし。総額は満額受給した場合の目安)。所定給付日数は年齢・被保険者期間でも変わります。退職理由の区分は最終的にハローワークが判断します。

自分の年齢・被保険者期間での日数は失業保険シミュレーター、月給×年齢別の金額は金額早見表で確認できます。

5. 自己都合退職でも金額は下がらない——手取りナビの視点

「自己都合だと金額まで減るのでは」と心配する方がいますが、基本手当日額(1日あたりの金額)は退職理由では変わりません。退職前6か月の賃金と年齢で決まります。自己都合で不利になるのは、あくまで受け取り始める時期(給付制限)もらえる日数です。

また、基本手当は非課税です(雇用保険の求職者給付は所得税・住民税がかかりません)。ただし退職後は、それまで給与天引きだった社会保険料や住民税を自分で納める必要が出てきます。手当は非課税でも、こうした支出は続くため、受給額と支出の両方を見て生活設計をしておくと安心です。退職金がある場合はその手取りも含めて見通しておきましょう。

関連: 退職金の手取り計算 / 手取りとは?額面との違い

よくある質問

Q. 自己都合退職だと失業保険はいつからもらえますか?
7日間の待期のあとに給付制限期間があり、その後から支給が始まります。給付制限は令和7年(2025年)4月1日以降の離職から原則1か月に短縮されました(3月31日以前は原則2か月)。過去5年に2回以上の自己都合離職(受給資格決定)や重責解雇の場合は3か月です。
Q. 給付制限は2025年に何か月に短縮されましたか?
令和7年(2025年)4月1日以降に離職した人の自己都合退職は、原則2か月から原則1か月に短縮されました。これは待期7日とは別の期間で、この間は基本手当が支給されません。
Q. 自己都合でも給付制限なしですぐもらう方法はありますか?
裏技はありませんが正攻法はあります。①正当な理由のある自己都合(特定理由離職者。病気・介護・配偶者の転勤など)は給付制限がかかりません。②令和7年4月以降の教育訓練受講で給付制限が解除されます。該当はハローワークが判断し、虚偽申告は不正受給になります。
Q. 自己都合と会社都合で日数はどれくらい違いますか?
会社都合(特定受給資格者)は給付制限がなく日数も手厚くなります。35歳・被保険者期間10年で自己都合120日 vs 会社都合240日、45歳・20年で自己都合150日 vs 会社都合330日です(当サイト試算)。1日あたりの金額は退職理由では変わりません。
Q. 失業保険を一度もらうと次はどうなりますか?
基本手当を受給すると、その受給のもとになった被保険者期間はリセットされ、次の計算には通算されません。次にもらうには、あらためて必要な被保険者期間(一般の離職では原則、離職前2年間に通算12か月以上)を満たす必要があります。再び働いて積み直せば、また受給資格を得られます。

次に確認したいこと

参考にした情報(一次情報・取得日2026年7月22日)

※基本手当日額の上限額等は毎年8月1日に改定されます。金額例は令和7年8月1日〜令和8年7月31日の額に基づく概算です。

本記事は一般的な制度の解説です(2026年7月時点。厚生労働省・ハローワークの公表資料に基づく概算・目安)。離職理由の区分(自己都合・会社都合・特定理由離職者など)や給付制限の適用・解除、実際の金額・日数は個別の状況により異なり、最終的には管轄のハローワークが判断します。正確な内容はハローワークにご確認ください。個別のご相談には対応していません。
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