給料の「引かれるお金」がぜんぶわかる

最終更新: (2026年度・令和8年度の制度に対応)

国民年金が払えないときはどうする?——放置と申請でこんなに違う

結論から言うと、国民年金が払えないときは「未納のまま放置」だけは避け、必ず免除や納付猶予を申請するのが基本です。申請しておけば、その期間も年金を受け取るのに必要な受給資格期間に数えられ、万一のときの障害年金・遺族年金の備えも残ります。何もせず未納にするのがいちばん不利です。国民年金保険料は令和8年度で月17,920円。払い続けるのが難しいと感じたら、まずは免除・猶予の申請ができないかを確認するところから始めましょう。

「未納のまま放置」と「免除・猶予を申請」の決定的な違い

同じ「今は払えない」でも、手続きをするかどうかで扱いがまったく変わります。ここがこの記事でいちばん大切なところです。日本年金機構の説明にもとづくと、主な違いは次の3点です。

項目免除・納付猶予を申請未納のまま放置
受給資格期間算入される算入されない
障害年金・遺族年金要件に該当すれば受け取れる受け取れない場合がある
老齢基礎年金の額一部反映(全額免除でも1/2)反映されない

日本年金機構は、保険料の免除・納付猶予を受けた期間中に病気やけがで障害や死亡といった不測の事態が発生し一定の要件に該当する場合は障害年金や遺族年金を受け取ることができ、手続きをせず保険料が未納となっている場合には受け取れない場合がある、としています。放置は将来の年金額だけでなく、今の万一の備えも失うおそれがあるということです。

出典: 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」「【転職をご検討中の方へ】保険料免除・納付猶予制度のご案内」(2026年7月時点)。

払えないときの選択肢の地図

「払えない」ときに使える制度はいくつかあります。どれに該当するかは本人・世帯主・配偶者の所得や状況で決まるため、ここでは全体像を整理します。名前だけでも知っておくと、窓口での相談がスムーズです。

免除に該当するかどうかの所得の基準は、扶養親族や社会保険料控除などの実額で細かく決まります。このため「自分は該当するか」を数字だけで断定するのは難しく、正確な判定は年金事務所や市区町村の窓口で行うのが確実です。免除・猶予でこの先の年金がどのくらい変わるかの目安は、下のシミュレーターで試算できます。

出典: 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」(2026年7月時点)。

失業・退職で払えなくなったとき

会社を辞めて収入が途切れたときは「失業等による特例免除」があります。この特例では、退職した本人の前年所得をゼロとして審査するため、通常より免除に該当しやすくなります(世帯主・配偶者の所得は引き続き審査の対象です)。申請には、雇用保険被保険者離職票や雇用保険受給資格者証など退職の事実を確認できる書類が必要です。

退職後は年金だけでなく、健康保険も国民健康保険に切り替わります。所得が下がったときは国保にも保険料の軽減があるため、国民健康保険の記事もあわせて確認してください。失業給付については失業保険とは?で解説しています。独立・フリーランスになった場合の全体像はフリーランスの手取り個人事業主の税金もどうぞ。

出典: 日本年金機構「【転職をご検討中の方へ】国民年金の加入、保険料免除・納付猶予制度のご案内」(2026年7月時点)。

まずは相談・申請先へ

免除や納付猶予の申請先は、お住まいの市区町村の窓口または年金事務所です。どの制度に該当するか分からないときも、まず窓口に相談すれば状況に合った手続きを案内してもらえます。大切なのは、払えないからとそのままにしないこと。申請しておけば、後から余裕ができたときに追納して年金額を取り戻す道も残ります。「払えない」と気づいた時点で、早めに相談してみてください。

よくある質問

Q. 国民年金を払えないとき、放置してはいけないのはなぜですか?
未納のまま放置すると、その期間は受給資格期間に算入されず、将来の老齢基礎年金にも反映されません。さらに日本年金機構は、免除・納付猶予を受けた期間中に障害や死亡といった不測の事態が生じ一定の要件に該当する場合は障害年金・遺族年金を受け取ることができ、未納の場合は受け取れない場合があるとしています。放置せず、免除や納付猶予を申請することが大切です。
Q. 免除と納付猶予はどちらを選べばよいですか?
免除には全額・4分の3・半額・4分の1の区分があり、免除された期間も一部は将来の年金に反映されます(全額免除でも満額の2分の1)。納付猶予は受給資格期間には算入されますが、年金額には反映されません。どの制度に該当するかは本人・世帯主・配偶者の所得などで決まるため、窓口で確認するのが確実です。
Q. 失業して払えないときはどうすればよいですか?
退職・失業したときは「失業等による特例免除」があり、退職した本人の前年所得をゼロとして審査されるため免除に該当しやすくなります。申請には離職票や雇用保険受給資格者証など退職の事実を確認できる書類が必要です。あわせて国民健康保険料の軽減や失業給付も確認するとよいでしょう。

免除や猶予でこの先の年金がどのくらい変わるかは国民年金 免除の将来年金シミュレーターで試算できます。学生の方は学生納付特例とは?、国民年金そのものの金額は国民年金はいくら?で確認できます。将来受け取る年金の手取りは年金の手取りシミュレーションもどうぞ。

本ページは令和8年度(2026年度)の国民年金の制度にもとづく一般的な解説で、金額は概算・目安です。免除・納付猶予に該当するかどうかは、本人・世帯主・配偶者の所得や扶養の状況、各種控除の実額で決まるため、該当可否をここで断定することはできません。実際の判定・申請は、お住まいの市区町村・年金事務所でご確認ください。将来の年金額は制度改定やマクロ経済スライドで変わります。個別の相談には対応していません。出典: 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」「保険料免除・納付猶予制度のご案内」「国民年金保険料」(いずれも2026年7月時点)。
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