給料の「引かれるお金」がぜんぶわかる

最終更新: (令和8年度・日本年金機構の公表資料に基づく)

国民年金の免除とは?——種類・所得の目安・将来の年金への影響を整理

結論として、国民年金の免除は所得に応じた4段階の申請免除(全額・4分の3・半額・4分の1)と、納付を先送りにする納付猶予・学生納付特例、そして届け出る法定免除に分かれます。免除期間も区分に応じて将来の年金に反映され、全額免除でも満額の2分の1が受け取れます。この記事では、令和8年度の制度体系・所得の目安・反映率を日本年金機構の一次情報で整理します。数値はすべて概算・目安で、該当するかどうかの判定は行いません。

まず結論:免除は7つの区分に分かれる

国民年金の保険料(令和8年度は月17,920円・年215,040円)を納めるのが難しいとき、未納のまま放置せずに利用できるのが免除・猶予の制度です。大きく分けると次の7区分があります。前の4つ(全額〜4分の1免除)と納付猶予は本人・世帯主・配偶者の前年所得で審査され、学生納付特例は本人の所得のみで審査、法定免除は届出制です。

所得の目安——「該当するかも」の判断材料(判定はしません)

免除は前年の所得で審査されます。日本年金機構が示す所得の基準(逐語)は次のとおりです。全額免除と納付猶予は同じ式で、扶養親族が多いほど基準額が上がります。4分の3・半額・4分の1免除は、基準額に扶養親族等控除額・社会保険料控除額などの実額を積み上げる形なので、単純な年収の線引きにはなりません。

区分所得の基準(日本年金機構)
全額免除(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
4分の3免除88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
納付猶予(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円(20歳以上50歳未満)
学生納付特例128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等(本人の所得のみ審査)

※上の式は「該当するかもしれない」の目安です。実際の判定は扶養親族の数や各種控除の実額によって変わるため、この記事では該当・非該当の判定はしません。ご自身が対象になるかは、日本年金機構またはお住まいの市区町村の年金窓口でご確認ください。

免除期間は将来の年金にどれだけ反映される?

免除を受けた期間も、まったくのゼロにはなりません。国が保険料の半分を負担しているため、区分に応じた割合が将来の老齢基礎年金に反映されます。日本年金機構の表現(逐語)は次のとおりです。全額免除でも「全額納付した場合の2分の1」が反映されるのがポイントです。

区分老齢基礎年金への反映(全額納付と比べて)
全額免除2分の1
4分の3免除8分の5
半額免除8分の6
4分の1免除8分の7
納付猶予年金額には反映されない(受給資格期間には算入)
学生納付特例年金額には反映されない(受給資格期間には算入)
法定免除2分の1(平成21年4月以降の期間)

令和8年度の老齢基礎年金の満額は、新規に受け取り始める方(昭和31年4月2日以後生まれ)で年847,296円(月70,608円)です。これは40年(480月)すべて納めた場合の額で、免除期間があると上の反映率に応じて少なくなります。実際にいくら変わるかは、下のシミュレーターで区分と期間を選んで概算できます。

🧮 免除で将来の年金がどう変わるかを試算する(免除シミュレーター)

失業・退職したとき——特例免除という選択肢

会社を退職して国民年金に切り替わったとき、前年の所得が高いと通常は免除に該当しにくくなります。しかし、退職・失業を理由とする特例免除を申請すると、退職した方の前年所得をゼロとして審査してくれるため、免除に該当しやすくなります。ただし、退職した本人を除く世帯主・配偶者の前年所得は引き続き審査の対象です。

申請には、退職の事実を確認できる書類として雇用保険被保険者離職票、雇用保険受給資格者証などが必要です。失業中の家計と手続きについては自己都合退職の失業保険もあわせてご確認ください。

免除と未納は決定的に違う——「払えないなら申請」が大原則

同じ「保険料を納めていない」状態でも、手続きをした免除・猶予と、手続きをしていない未納はまったく扱いが違います。免除・猶予・学生納付特例の期間は、年金を受け取るために必要な受給資格期間(10年=120月)に算入され、免除は年金額にも一部反映されます。さらに、免除・猶予を受けた期間中に病気やけがで障害が残ったり亡くなったりした場合、一定の要件に該当すれば障害年金や遺族年金を受け取ることができます

一方、手続きをせず未納のままにしていると、これらの保障が受けられない場合があります。だからこそ、払えないときほど未納で放置せず、まず免除・猶予を申請することが大切です。免除のデメリットや「しない方がいいのでは」という不安については、国民年金の免除はしない方がいい?で両面から整理しています。

免除のあと——追納で年金を取り戻せる

免除や猶予を受けた期間は、あとから保険料を納める「追納」ができます。追納すると、その期間が全額納付した扱いに近づき、将来の年金額を増やせます。追納できるのは承認された月の前10年以内で、原則として古い期間から納めます。ただし免除・猶予を受けた年度の翌年度から数えて3年度目以降に追納する場合は加算額が上乗せされる点に注意が必要です。くわしくは国民年金の追納とは?で解説しています。

🧮 免除・追納で将来の年金がどう変わるかを試算する

よくある質問

Q. 国民年金の免除にはどんな種類がありますか?
申請して受ける免除には、全額・4分の3・半額・4分の1免除の4段階と、納付を先送りにする納付猶予制度(20歳以上50歳未満)、学生向けの学生納付特例があります。このほか、障害年金や生活保護を受けている方などが届け出る法定免除があります。申請免除と納付猶予は本人・世帯主・配偶者の前年所得で、学生納付特例は本人の所得のみで審査されます。
Q. 免除の所得の基準はいくらですか?
全額免除と納付猶予の目安は「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」です。4分の3免除は88万円、半額免除は128万円、4分の1免除は168万円に、それぞれ扶養親族等控除額・社会保険料控除額などを加えた額が目安です。実際の判定は控除の実額で変わるため、該当するかは年金窓口でご確認ください。
Q. 免除を受けると将来の年金はどうなりますか?
免除期間も区分に応じた割合が反映されます。全額免除でも満額の2分の1、4分の3免除は8分の5、半額免除は8分の6、4分の1免除は8分の7です。納付猶予と学生納付特例は受給資格期間には算入されますが、追納しない限り年金額には反映されません。
Q. 失業したときも免除を受けられますか?
退職・失業したときは特例免除を申請できます。退職した方の前年所得をゼロとして審査するため、前年の収入が高くても該当しやすくなります。ただし世帯主・配偶者の所得は審査対象です。申請には雇用保険被保険者離職票、雇用保険受給資格者証など、退職を確認できる書類が必要です。
Q. 免除と未納は何が違いますか?
免除は申請して承認された状態で、その期間は受給資格期間に算入され、年金額にも一部反映されます。障害年金・遺族年金の保障も原則として残ります。未納は手続きをしていない状態で、受給資格期間に算入されず、障害年金・遺族年金が受け取れない場合があります。払えないときは未納で放置せず、まず免除・猶予を申請しましょう。

あわせて読む: 免除に不安がある方は国民年金の免除はしない方がいい?デメリットと未納との違い、免除のあとに年金を取り戻すには国民年金の追納とは?、保険料そのものの額や前納割引は国民年金はいくら?で解説しています。

🧮 免除で将来の年金がどう変わるかを試算する(免除シミュレーター) 🧮 フリーランス・個人事業主の手取りを計算する
本記事は一般的な制度の解説で、金額は概算・目安です(2026年7月時点・令和8年度)。免除・納付猶予・学生納付特例の所得基準や手続き、該当の可否は、扶養や世帯の状況、制度改正により変わります。本記事では該当・非該当の判定は行いません。正確な要件・手続き・判定は、日本年金機構またはお住まいの市区町村の年金窓口でご確認ください。個別のご相談には対応していません。
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