最終更新: (厚生労働省・ハローワークの公表内容に基づく)
育休中のお金——副業・住民税・ボーナス・年末調整はどうなる?
結論として、育児休業給付金は非課税ですが、住民税は前年の所得にかかるため育休中も負担が続きます。副業は給付金の就業日数・時間の制限に触れると減額・不支給になることがあり、ボーナスの社会保険料は育休の取り方で免除されるかが変わります。年末調整は在籍していれば会社が行い、給付金は収入に含めません。見落としやすい4つの疑問を、一次情報ベースで一つずつ整理します(内容は概算・目安。個別の判断は勤務先・ハローワーク・市区町村で確認を)。
まず前提:給付金は非課税でも「住民税」は別
育児休業給付金は非課税で、所得税も住民税もかかりません。一方で住民税は「前年の所得」に対して計算され、翌年に納める仕組みです。つまり育休で今の収入が下がっても、前年に働いていた分の住民税は時間差で育休中に請求されます。この「給付金は非課税/住民税は前年ベースで継続」というズレが、育休中のお金でいちばん誤解されやすいポイントです。以下、副業・住民税・ボーナス・年末調整の順に見ていきます。なお育休中の社会保険料の免除の仕組みそのものは育休中の社会保険料免除にまとめているので、本記事では周辺のお金の疑問に絞ります。
Q1. 育休中に副業・アルバイトをしてもいい?
まず勤務先の就業規則で副業が認められているかが前提です。そのうえで、育児休業給付金を受けている場合は制度上の制限があります。給付を受けるには、1支給単位期間(育休開始日から1か月ごとの期間)中の就業日数が10日以下(10日を超える場合は就業した時間数が80時間以下)である必要があり、この日数・時間には在職中の事業所以外で就業した分(=副業先での就労)も含まれます。さらに、支払われた賃金が休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上になると給付金は0円、80%未満でも金額に応じて減額される場合があります。「少しだけなら」と始めた副業が給付に響くこともあるため、可否と影響は勤務先とハローワークで確認してください。
Q2. 育休中も住民税は払う?
払います。前述のとおり住民税は前年の所得に対して計算され、翌年6月から1年かけて納めるため、育休で収入が下がっていても前年分の負担は続きます。会社員は通常、給与から天引き(特別徴収)されますが、育休で給与の支払いがなくなると天引きができず、自分で納付書で納める「普通徴収」に切り替わることがあります(会社がまとめて立て替える扱いのケースも)。切り替えの有無や納め方は勤務先・市区町村で異なります。仕組みは住民税はいつから引かれる、給付金が非課税である点は住民税がかからない収入もあわせてご覧ください。
Q3. 育休中のボーナス(賞与)の社会保険料は?
賞与にかかる社会保険料(健康保険・厚生年金)は、1か月を超える育児休業期間があり、その期間に月末が含まれる場合に免除の対象になるとされています。つまり賞与月にどう休むかで、賞与分の保険料が免除されるかが変わります。免除の細かな条件と仕組みは育休中の社会保険料免除、賞与にかかる社会保険料の基本はボーナスの社会保険料で解説しています。実際にいくら免除・手取りがどう変わるかの目安は、月給・賞与を入れて育休手当 計算ツールで試算できます。なお賞与そのものが支払われた場合、その賞与は給付金と違い課税や社会保険の対象になり得る点に注意してください。
Q4. 育休中でも年末調整は必要?
育児休業給付金は非課税なので、年末調整や確定申告で収入に含める必要はありません。その年に給与の支払いがあり在籍していれば、通常どおり勤務先で年末調整が行われます(生命保険料控除などの書類は会社の案内に従って提出)。年の途中から育休に入って給与が少ない年は、本人の所得が下がることで、配偶者の配偶者控除・配偶者特別控除の対象になれることがあります。ただし対象になる収入の基準額は税制改正で変わることがあり、個別の判断は勤務先や税務署での確認が確実です。給与がまったくない年でも、配偶者側の申告で控除を受けられる場合があります。
よくある質問
- Q. 育休中に副業やアルバイトをしてもいいですか?
- 就業規則で認められているかが前提です。給付金を受けるには1支給単位期間中の就業日数が10日以下(超える場合は就業時間80時間以下)で、この日数・時間には副業先での就労も含まれます。賃金が休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上で給付は0円、80%未満でも減額されることがあります。
- Q. 育休中は住民税も止まりますか?
- 止まりません。給付金は非課税ですが、住民税は前年の所得にかかり翌年に納めるため、育休中も前年分の負担が続きます。給与天引きができないと自分で納める普通徴収に切り替わることがあります。納め方は勤務先・市区町村で確認を。
- Q. 育休中のボーナスの社会保険料はどうなりますか?
- 賞与の社会保険料は1か月を超える育休期間があり、その期間に月末が含まれる場合に免除の対象になります。育休の取り方で変わるため、賞与月の休み方が影響します。仕組みは育休中の社会保険料免除、金額の目安は育休手当 計算ツールで。
- Q. 育休中でも年末調整は必要ですか?
- 給付金は非課税なので収入に含めません。その年に給与があり在籍していれば会社で年末調整が行われます。育休で所得が下がると、配偶者の配偶者控除・配偶者特別控除の対象になれる場合があります。基準額は改正で変わるため、勤務先や税務署で確認を。
育休中の手取りの目安は育休手当 計算ツールで試算できます。社会保険料の免除は育休中の社会保険料免除、住民税の時期は住民税はいつから引かれる、夫婦で取る特例はパパママ育休プラスとは、延長は育休はいつまで延長できるで解説しています。
参考にした一次情報
- 厚生労働省「Q&A〜育児休業等給付〜」 — 支給要件として1支給単位期間中の就業日数が10日(10日を超える場合は就業した時間数が80時間)以下であること/就業した日数・時間は在職中の事業所以外で就業した分も含む/賃金が休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上で支給額0円、80%未満でも賃金額に応じて減額。mhlw.go.jp(2026年7月21日取得)
- 厚生労働省・ハローワーク「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(2025〈令和7〉年8月1日改訂版 PL070801保03) — 育児休業等給付は非課税/育児休業中は申出により健康保険・厚生年金保険料が免除。mhlw.go.jp(2026年7月21日取得)
- 賞与にかかる社会保険料の免除条件(1か月を超える育児休業期間があり、その期間に月末が含まれる場合)は、当サイト育休中の社会保険料免除で日本年金機構の公表内容に基づき整理。住民税が前年所得に対して翌年課税される仕組みは住民税はいつから引かれるを参照。