給料の「引かれるお金」がぜんぶわかる

最終更新: (国税庁の情報に基づく)

雑所得とは?——事業所得・一時所得との違いと、副業の所得区分

結論として、雑所得とは、他の9種類の所得に当てはまらない所得のことで、会社員の副業の多くは「業務に係る雑所得」にあたります。事業所得との違いはその活動が「事業」と言える程度か(帳簿書類の保存など)、一時所得との違いは継続的な営利活動か、一時的・偶発的な収入かにあります。所得の区分がなぜ大事かというと、区分によって経費・課税のしかた・確定申告の要否の考え方が変わるからです。以下の内容は概算・目安で、最終的な区分の判断は税務署・税理士にご確認ください。

まず結論:雑所得は「他のどれにも当てはまらない所得」

所得税では、所得を10種類に分けて計算します。雑所得は、利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時という9種類のどれにも当てはまらない所得のことです(国税庁 No.1500)。雑所得はさらに、①公的年金等(年金)、②業務に係るもの(副業に係る収入のうち営利を目的とした継続的なもの)、③その他の3つに分かれます。会社員の副業の多くは、この②業務に係る雑所得にあたります。

なぜ区分が大事かというと、区分によって認められる経費・他の所得との損益通算・課税のしかたが変わり、結果として確定申告が必要になる20万円の判定にも影響するからです。20万円ルールと確定申告の関係は副業はいくらから確定申告?20万円ルールの誤解で解説しています。

雑所得と一時所得の違い——「継続的か」「一時的か」

一番の分かれ目は、その収入が営利を目的とした継続的なものか、それとも一時的・偶発的なものかです。副業のように継続的に稼ぐ収入は業務に係る雑所得になりやすく、懸賞や福引きの賞金、生命保険の満期返戻金、法人からの贈与などは一時所得にあたります(国税庁 No.1490)。

税負担の出方も違います。一時所得は「総収入金額 − 収入を得るために支出した金額 − 特別控除額(最高50万円)」で計算し、さらにその2分の1だけを他の所得と合算して税額を求めます(No.1490)。同じ金額を受け取っても、一時所得のほうが特別控除と2分の1課税のぶん税負担が軽く出ることが多く、区分を取り違えると税額の見込みがずれてしまいます。

区分主な例課税のしかた
業務に係る
雑所得
継続的な副業(原稿料・ネット販売・配達・アフィリエイト等)総収入-必要経費。他の所得と合算して総合課税
一時所得懸賞・福引きの賞金、生命保険の満期返戻金、法人からの贈与など総収入-支出-特別控除(最高50万円)。その2分の1を合算

雑所得と事業所得の違い——「事業と言える程度か」

事業所得とは、農業・漁業・製造業・卸売業・小売業・サービス業その他の事業を営んでいる人の、その事業から生ずる所得です(国税庁 No.1350)。同じ継続的な副業でも、その活動が社会通念上「事業」と称する程度で行われていれば事業所得、そこに至らなければ業務に係る雑所得、という考え方になります。

国税庁の令和4年(2022年)の通達では、その所得に係る帳簿書類の保存があるかどうかが、事業所得か業務に係る雑所得かの判断の目安として示されています。目安として、帳簿書類の保存がなく、かつ収入金額が300万円以下の場合は、原則として業務に係る雑所得として扱われます(事業所得と認められる事実がある場合を除く)。また、業務に係る雑所得でも、前々年分の収入金額が300万円を超える人は、現金預金取引等関係書類の保存が必要とされています(No.1500)。事業所得に区分されると、青色申告など事業所得ならではの取扱いが関係してくるため、規模が大きくなってきたら区分を確認しておくと安心です。

※区分の判断は帳簿の有無だけで一律に決まるものではなく、実態に応じて総合的に判断されます。迷う場合は税務署・税理士にご確認ください。

雑所得の必要経費——「収入 − 経費」で計算する

雑所得の金額は、総収入金額 − 必要経費で計算します(国税庁 No.1500)。必要経費は、その収入を得るために直接かかった費用が対象です。たとえばネット販売なら仕入れや送料、原稿・制作なら取材費や資料費、配達なら燃料費などが考えられます。プライベートと共用のもの(自宅の通信費・電気代など)は、業務に使った割合に応じて按分するのが基本です。

経費を正しく差し引けるかどうかは、確定申告が必要になる「所得20万円」の判定にも直結します。収入がそのまま所得になるわけではなく、収入から経費を引いた残りが所得だからです。何が経費として認められるかは個別の事情によるため、判断に迷う場合は税務署・税理士にご確認ください。副業でかかる税金や、住民税の申告については副業の住民税:計算・普通徴収・申告方法もあわせてご覧ください。

数字で見る:副業の所得が大きいと税負担も大きくなる

区分がわかったら、次に気になるのが税額です。副業は本業の給与と合算する総合課税なので、副業の所得が大きく、本業の年収も高いほど、副業にかかる税率(限界税率)は上がります。具体例として、本業の年収600万円の人が、副業(事業所得・白色)で収入150万円・必要経費50万円=所得100万円を得たケースを見ます。手取りナビの副業税金シミュレーターの試算では、追加の所得税が163,100円、追加の住民税が100,000円で、追加の税負担は合計263,100円、副業の手取り(副業所得−追加税)は736,900円という試算です。

同じ副業所得でも、本業の年収が低い人と高い人では追加の税額が変わります。なお、このツールは事業所得・雑所得のどちらを選んでも税額計算は同じで、区分そのものの判定はしません(区分の判断は税務署・税理士へ)。青色申告の特別控除などは反映していない白色ベースの概算です。

※試算の前提:独身・その他の控除なし・社会保険料は年収から自動概算(東京都)・復興特別所得税込み。金額はすべて概算・目安です。副業の税金 早見表で本業年収×副業所得の一覧を確認できます。

区分がわかったら、税金の目安をツールで確認

雑所得は、給与など他の所得と合算した総所得金額に対して所得税がかかる総合課税が基本です。そのため、同じ副業の所得でも本業の年収によって増える税額は変わります。手取りナビの副業税金シミュレーターは、本業の年収と副業の所得を入れると、増える所得税・住民税と手取りの目安を計算できます。入力内容はブラウザ内で計算され、送信・保存されません。金額はすべて概算・目安です。

🧮 副業でかかる税金・手取りを計算する(副業税金シミュレーター) 📋 副業の税金 早見表【本業年収×副業所得の一覧】

よくある質問

Q. 一時所得と雑所得の違いは何ですか?
雑所得は、営利を目的とした継続的な活動から生じる副業収入などが中心です。一方、一時所得は、懸賞の賞金や生命保険の満期返戻金のように、営利目的の継続的な行為ではなく、労務や資産譲渡の対価でもない一時の所得を指します(国税庁 No.1490)。一時所得には最高50万円の特別控除があり、課税されるのはその2分の1だけなので、税負担の出方が雑所得とは異なります。
Q. 事業所得と雑所得の違いは何ですか?
事業所得は、その活動が社会通念上「事業」と称する程度で行われている場合の所得です。国税庁の令和4年の通達では、その所得に係る帳簿書類の保存があるかどうかが判断の目安とされ、帳簿書類の保存がなく、かつ収入金額が300万円以下の場合は、原則として業務に係る雑所得として扱われます(事業所得と認められる事実がある場合を除く)。区分によって経費や損益通算の扱いが変わります。
Q. 雑所得の必要経費には何が含まれますか?
雑所得の金額は「総収入金額 − 必要経費」で計算します(国税庁 No.1500)。必要経費は、その収入を得るために直接かかった費用が対象で、副業の内容によって変わります。プライベートと共用のもの(通信費など)は、業務に使った割合に応じて按分するのが基本です。何が経費として認められるかは個別の事情によるため、判断に迷う場合は税務署・税理士にご確認ください。
Q. 副業は雑所得になりますか?
会社員の副業の多くは「業務に係る雑所得」にあたります。これは、営利を目的とした継続的な収入のうち、事業所得・給与所得など他の区分に当てはまらないものです(国税庁 No.1500)。ただし、規模や帳簿書類の保存の状況によっては事業所得となる場合もあり、一時的・偶発的な収入は一時所得となることもあります。まず自分の副業がどの区分かを確認することが出発点です。
Q. 雑所得の税率は何%ですか?
雑所得には固定の税率があるわけではありません。雑所得は給与所得など他の所得と合算した総所得金額に対して、所得税の累進税率(所得が多いほど税率が上がる)がかかる「総合課税」が基本です。そのため、同じ雑所得の金額でも、本業の年収によって増える税額は変わります。具体的な税額の目安は副業税金シミュレーターで確認できます。

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🧮 副業でかかる税金・手取りを計算する(副業税金シミュレーター)
本記事は一般的な制度の解説で、金額・取扱いは概算・目安です(2026年7月時点)。所得の区分(雑所得・事業所得・一時所得など)は、活動の実態に応じて総合的に判断されるもので、帳簿書類の有無や収入金額だけで一律に決まるものではありません。個別の区分の判断や必要経費の範囲については、税務署・税理士にご確認ください。個別のご相談には対応していません。
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参考にした一次情報

※本文中の税額・手取りの計算はツールでの概算です。制度の数値(特別控除50万円・300万円など)は上記の一次情報に基づきます。