最終更新: (厚生労働省・ハローワークの公表内容に基づく)
産後パパ育休とは?——給付金はいくら・通常の育休とどっちが得か
結論として、産後パパ育休(正式名称は「出生時育児休業」)は、子の出生後8週間以内に合計28日(4週間)まで、2回に分けて取れる休業です。休業中は雇用保険から「出生時育児休業給付金」が休業前賃金の67%で支給されます。給付率は通常の育児休業と同じなので「どっちが得」より、両方を組み合わせるのが基本。さらに条件を満たせば出生後休業支援給付金の13%が上乗せされ、実質80%(手取り約10割)になります。以下の金額は概算・目安で、賃金日額には上限・下限があります。
産後パパ育休の基本(いつ・何日・分割・就業)
産後パパ育休は、母親の産休(産後休業)期間にあたる子の出生後8週間以内に、合計28日を上限に取得できる父親向けの休業です。原則2回まで分割でき、たとえば出産直後に2週間、退院後の落ち着いた時期にもう2週間、といった取り方ができます。通常の育児休業とは別枠のため、産後パパ育休を使い切ったあとに、さらに1歳(最長2歳)までの育児休業を取ることも可能です。また労使協定があれば休業中に一定の範囲で就業することも認められています(就業には上限あり。後述)。
出生時育児休業給付金はいくら?
給付額は「休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%」で計算します。賃金日額は、育休開始前6か月の賃金合計を180で割った額です(上限・下限あり)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 給付率 | 67%(通常の育児休業と同じ) |
| 対象日数 | 出生後8週間以内・合計28日まで |
| 28日分の上限額 | 302,223円(賃金日額の上限で頭打ちになる高月給の場合) |
| 課税 | 非課税+育休中は社会保険料が申出により免除 |
厚生労働省の計算例では、賃金日額10,000円で14日取得・休業中の賃金なしのとき、出生時育児休業給付金は93,800円。これに後述の出生後休業支援給付金18,200円が加わると、合計112,000円(給付率80%相当)になります。自分の月給での目安は育休手当 計算ツールで試算できます。
産後パパ育休と通常の育児休業、「どっちが得」?
結論から言うと、給付率はどちらも67%で同じため、金額の有利・不利はほとんどありません。違いは「取得の柔軟性」です。どちらか一方を選ぶというより、実際には多くの家庭が「産後パパ育休(出生直後)→通常の育児休業」の順で組み合わせて取得します。
| 産後パパ育休(出生時育児休業) | 通常の育児休業 | |
| 取れる時期 | 出生後8週間以内 | 原則1歳(最長2歳)まで |
| 日数の上限 | 合計28日 | 上記期間内 |
| 分割取得 | 2回まで | 2回まで |
| 休業中の就業 | 労使協定があれば一定の範囲で可 | 原則不可(一時的・臨時的を除く) |
| 給付率 | 67% | 67%(開始〜180日)/50%(181日目〜) |
両方とも、条件を満たせば出生後休業支援給付金(13%上乗せ)の対象になり得ます。「得か損か」より、いつ・どのくらい休むかで選ぶのが実態に合っています。
出生後休業支援給付金で実質80%(手取り約10割)に
2025年(令和7年)4月に新設された「出生後休業支援給付金」により、一定の条件を満たすと最大28日間、給付金の67%に13%が上乗せされて給付率80%になります。給付金は非課税で、育休中は社会保険料も免除されるため、この80%は休業前の手取りの約10割に相当します。母親が出産する実子のケースでは、父親は出生日の翌日時点で配偶者側の要件を自動的に満たすとされており、産後パパ育休はこの上乗せを受けやすいのが特徴です。要件や「10割」の仕組みの詳細は育児休業給付金の実質80%引き上げはいつからで解説しています。
産後パパ育休中に働くときの注意
- 就業日数に上限がある — 28日取得する場合、就業できるのは最大10日(10日を超えるときは80時間)まで。これを超えると全期間が給付の対象外になります。取得日数が短い場合は日数に比例して上限が下がります。
- 賃金が多いと給付金が減る — 休業中に支払われた賃金が「賃金日額×支給日数」の13%を超えると減額、80%以上だと不支給です。
- 手取りは思ったより減りにくい — 給付は非課税で社会保険料も免除されるため、給付率67%でも手取りの目減りは小さめです。仕組みは育休中の社会保険料免除で解説しています。
- いつもらえるかも要確認 — 給付の振込時期は育児休業給付金はいつもらえるで解説しています。
よくある質問
- Q. 産後パパ育休とは何ですか?
- 正式には「出生時育児休業」といい、子の出生後8週間以内に合計28日(4週間)まで、原則2回に分けて取れる休業です。通常の育児休業とは別枠のため、あとから通常の育休も取れます。休業中は「出生時育児休業給付金」が賃金の67%で支給されます。
- Q. 給付金はいくらもらえますか?
- 「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で計算します。厚労省の例では賃金日額10,000円で14日取得・賃金なしのとき93,800円、これに出生後休業支援給付金18,200円が加わり合計112,000円(80%相当)。非課税+社保免除で手取りの目減りは小さめです(概算・目安)。
- Q. 通常の育児休業とどっちが得ですか?
- 給付率はどちらも67%で金額面の有利・不利はほぼありません。違いは柔軟性で、産後パパ育休は出生後8週以内・28日まで・就業可能。多くの家庭は産後パパ育休→通常育休の順で組み合わせて取得します。
- Q. 休業中に働くと給付金はどうなりますか?
- 労使協定があれば就業できますが、28日取得なら最大10日(超えるときは80時間)まで。超えると全期間が対象外に。賃金が「賃金日額×支給日数」の13%超で減額、80%以上で不支給です。勤務先とハローワークで上限を確認してください。
自分の月給での給付額の目安は育休手当 計算ツールで試算できます。実質80%「育休10割」の仕組みは育児休業給付金の80%引き上げはいつから、夫婦で育休を組み合わせて1歳2か月まで延ばす方法はパパママ育休プラスとは、手取りが減りにくい理由は育休中の社会保険料免除、産休の日程は産休はいつからで解説しています。
参考にした一次情報
- 厚生労働省・ハローワーク「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(2025〈令和7〉年8月1日改訂版 PL070801保03) — 出生時育児休業給付金は給付率67%・子の出生後8週間以内に合計28日を上限・2回分割可/就業は28日取得時で最大10日(超は80時間)まで・超過で全期間不支給/支払賃金が「賃金日額×支給日数」の13%以下で満額・13%超〜80%未満で(賃金日額×支給日数×80%)−賃金・80%以上で不支給/育児休業等給付は非課税・育休中は健康保険と厚生年金保険料が申出により免除。計算例=賃金日額10,000円・14日・賃金なしで出生時育児休業給付金93,800円、出生後休業支援給付金18,200円。賃金日額の上限16,110円・下限3,014円(令和7年8月1日〜令和8年7月31日)、出生時育休28日の67%上限302,223円。mhlw.go.jp(2026年7月21日取得)
- 厚生労働省「令和7年8月1日から支給限度額が変更されます」(LL070722保02) — 賃金日額の上限・下限、各支給限度額の令和7年8月改定値。mhlw.go.jp(2026年7月21日取得)