最終更新: (2026年度・令和8年度の料率に対応)
年金から天引きされるものは何?——4系統の一覧と仕組み
結論として、公的年金(老齢年金)から天引き(特別徴収)されるのは①所得税 ②住民税(森林環境税を含む) ③介護保険料 ④医療保険料の4系統です。このうち全国一律で計算できるのは所得税だけで、ほかは市区町村により金額が変わります。障害年金・遺族年金は非課税のため、いずれも天引きされません。
年金から天引きされる4系統(一覧)
| 項目 | 主な対象者 | 金額の決まり方 |
|---|---|---|
| ①所得税(源泉徴収) | 老齢年金が一定額を超える人 | 全国一律(国税庁の計算式) |
| ②住民税+森林環境税 | 65歳以上・前年に課税所得がある人 | 市区町村ごと(標準税率10%) |
| ③介護保険料 | 65歳以上・年金年額18万円以上 | 市区町村ごとの基準額×所得段階 |
| ④医療保険料 | 65〜74歳は国保、75歳以上は後期高齢者医療 | 市区町村・都道府県ごと |
出典: 日本年金機構「年金から特別徴収されるのはどのような人ですか」・国税庁「公的年金等の課税関係」(いずれも2026年7月時点)。
①所得税(源泉徴収)——ここだけは金額が計算できる
年金の所得税は「(年金額 − 社会保険料 − 各種控除額)× 5.105%」で計算されます。5.105%は所得税5%に復興特別所得税を加えた税率です。扶養親族等申告書を提出していれば、公的年金等以外に所得がない単身の方の場合、65歳以上は年金額およそ214万円、65歳未満は164万円を超えると源泉徴収の対象になります(令和8年分)。なお令和8年は税制改正の初年にあたるため、月々の源泉徴収は11月支払分まで従来の基準で行われ、12月支払分で年間ベースの精算が行われる場合があります。たとえば65歳以上・単身で年金240万円なら、源泉徴収される所得税は年約15,312円が目安です。金額の一覧は年金の手取り額 早見表で確認できます。
②〜④ 住民税・介護保険料・医療保険料——地域で変わる
- 住民税+森林環境税: 65歳以上で、前年の年金などに住民税がかかる人が対象。所得割の標準税率は10%ですが、超過課税を行う自治体もあります。年金天引きの対象は老齢・退職年金のみです。
- 介護保険料: 65歳以上・年金年額18万円以上が対象。市区町村が3年ごとに基準額を定め、所得段階別の乗率で決まります。全国平均の基準額は月6,225円(第9期)。
- 医療保険料: 65〜74歳は国民健康保険料、75歳以上は後期高齢者医療保険料。算定方式が地域で異なり、全国共通の早見表は作れません。
特別支給の老齢厚生年金の手取りは?
生年月日により65歳前から受け取れる「特別支給の老齢厚生年金」も老齢年金の一種で、課税の扱いは同じです。65歳未満は公的年金等控除が小さいため、単身・年金のみの場合は年金額164万円を超える部分から所得税(源泉徴収)がかかります。一方、住民税の年金天引きは65歳以上が対象のため、64歳までは年金からは天引きされず、必要に応じて納付書などで納めます。具体的な金額は年金の手取り額 早見表の65歳未満の表が目安になります。
自分の年金額での手取りは年金の手取りシミュレーション、金額別の目安は年金の手取り額 早見表へ。65歳前に受け取る年金は特別支給の老齢厚生年金の手取り、10月から手取りが動く理由は年金は10月から手取りが変わる?で解説しています。住民税の仕組みは住民税が高いのはなぜ?、介護保険料は介護保険料は40歳からいくら?もどうぞ。