給料の「引かれるお金」がぜんぶわかる

最終更新: (令和8年度・自治体および公的機関の公表資料に基づく)

国民健康保険はいくら?——令和8年度の計算のしくみと保険料の目安

結論から言うと、国民健康保険料は前年の所得に応じた「所得割」と、加入人数に応じた「均等割」の合計で決まります。そして令和8年度からは「子ども・子育て支援納付金分」が新設されて4区分になり、賦課限度額も109万円から113万円へ引き上げられました。料率も均等割額もお住まいの自治体ごとに異なるため、退職・独立で国保に切り替わった方が「いくらになるのか」と不安になるのは自然なことです。この記事では、計算のしくみ・自治体差・軽減の基準を令和8年度の一次情報で整理します。金額はすべて概算・目安で、正確な額はお住まいの自治体の通知でご確認ください。

まず結論:保険料=「所得割+均等割」を区分ごとに足したもの

国民健康保険料は、所得に応じてかかる「所得割」と、加入する人数に応じて定額でかかる「均等割」を、区分ごとに計算して合計します(都市部の標準的な計算方式)。保険料は世帯単位で賦課され、世帯主が納付義務者になります。所得割のもとになるのは、いわゆる「旧ただし書き所得」=前年の総所得金額等−43万円(住民税ベースの基礎控除)です。会社員の健康保険のように「標準報酬×料率」で機械的に決まるわけではなく、区分・料率・均等割がすべて自治体ごとに違う点が、国保のわかりにくさの正体です。

🧮 国民健康保険料の概算を計算する(国保シミュレーター)

令和8年度の大きな変更:3区分から4区分へ(子ども・子育て支援納付金分の新設)

令和8年度の国民健康保険には、多くの解説がまだ追いつけていない重要な制度変更があります。令和7年度までの3区分(医療分・後期高齢者支援金分・介護分)に、令和8年度から「子ども・子育て支援納付金分」が新たに加わり、4区分になりました。あわせて賦課限度額(1年間に払う保険料の上限)の合計が令和7年度の109万円から113万円へ引き上げられています。

区分対象賦課限度額(令和8年度)
医療分(基礎賦課額)全加入者67万円
後期高齢者支援金分全加入者26万円
介護分(介護納付金)40〜64歳のみ17万円
子ども・子育て支援金分 (令和8年度新設)加入者(18歳未満は実質免除の扱い)3万円
合計上限113万円

医療分の限度額は令和7年度の66万円から67万円に、合計上限は109万円から113万円になりました。子育て支援分の均等割は、18歳未満の加入者について軽減(自治体により全額減額や対象外)される扱いで、実務上は子どもの人数分がそのまま増えるわけではありません。

同じ所得でも住む場所で変わる——新宿区と名古屋市の料率比較(令和8年度)

国民健康保険は全国一律ではありません。料率と均等割額は各自治体が条例で定めるため、同じ所得でも住む場所で保険料が数万円単位で変わります。令和8年度の実例として、東京23区(特別区の統一保険料率)と名古屋市を比べると次のようになります。

区分東京23区 所得割率/均等割名古屋市 所得割率/均等割
医療分7.51% / 47,600円8.83% / 50,591円
後期高齢者支援金分2.80% / 17,600円2.58% / 15,784円
介護分(40〜64歳)2.43% / 17,800円2.34% / 16,120円
子ども・子育て支援金分0.27% / 1,873円0.26% / 1,771円

医療分の所得割だけでも1ポイント以上、均等割も約3千円の差があります。子育て支援分の均等割は、東京23区は18歳以上の加入者に、名古屋市は加入者全員に賦課したうえで18歳未満を減額する、といった適用のしかたにも自治体差があります。ここに挙げたのは2例で、実際の料率はお住まいの自治体の令和8年度の通知でご確認ください。

数字で見る:保険料の目安(令和8年度・東京23区の試算例)

具体的な金額のイメージをつかむために、手取りナビの計算エンジンでの試算例を挙げます。東京23区(特別区の統一保険料率)・40歳未満・単身で、旧ただし書き所得が392万円(フリーランスで売上600万円・必要経費100万円・青色申告特別控除65万円を差し引き、そこから43万円を引いたケース)の場合、令和8年度の国民健康保険料は年481,600円という試算です。

区分保険料(年・試算)
医療分341,900円
後期高齢者支援金分127,300円
介護分(40歳未満は対象外)0円
子ども・子育て支援金分12,400円
合計481,600円

一方、所得が低い世帯には軽減があります。たとえば事業所得が40万円(旧ただし書き所得0円)の場合、後述の7割軽減が適用され、同じ東京23区でも国民健康保険料は年19,900円まで下がります(令和8年度・40歳未満・単身の試算)。所得や加入人数、お住まいの自治体で金額は大きく変わるため、あくまで目安です。ご自身の条件での概算は国保シミュレーターで確認できます。

※試算の前提:令和8年度・東京23区の統一保険料率・単身・記載の年齢。金額はすべて概算・目安で、端数処理の細部や実際の賦課額は自治体の運用により異なることがあります。

🧮 自分の所得での国民健康保険料を計算する(国保シミュレーター)

保険料が軽減される条件(7割・5割・2割軽減)

世帯の前年所得が一定以下のときは、均等割(所得割ではなく人数割の部分)が軽減されます。令和8年度の判定基準は次のとおりです(判定基準日=令和8年4月1日)。

「(給与所得者等の数−1)×10万円」は、世帯に給与や公的年金の所得がある人が2人以上いる場合にのみ加算されます。また、これらの軽減を受けるには所得の申告が必要で、所得がなくても未申告だと軽減の対象になりません。5割・2割の基準額(31万円・57万円)は毎年度改定されるため、最新の基準はお住まいの自治体の案内でご確認ください。就学前の子どもの均等割については、全国措置としてさらに半額にする軽減もあります。

会社を辞めて国保に切り替わる人へ——「思ったより高い」の理由

退職や独立で会社の健康保険から国民健康保険に切り替わると、「想像より高い」と感じることがよくあります。理由は、国保料が前年(1月〜12月)の所得をもとに計算されるためです。収入が下がった年でも、保険料は在職時の所得で決まるため、実感とずれるのです。会社の健康保険を最長2年間続ける「任意継続」という選択肢もあり、どちらが安いかは所得や扶養の状況で変わります。まずは国民健康保険料の概算を出し、任意継続の保険料と比べて検討するのが安心です。フリーランス・個人事業主として働く場合の税金・社会保険を含めた手取り全体は、フリーランス手取りシミュレーターや国民年金はいくら?令和8年度の保険料・付加・前納もあわせてご覧ください。

🧮 フリーランス・個人事業主の手取りを計算する(手取りシミュレーター)

よくある質問

Q. 国民健康保険料はいくらになりますか?
前年の所得に応じた「所得割」と、加入人数に応じた「均等割」の合計で決まります。令和8年度は医療分・後期高齢者支援金分・介護分(40〜64歳のみ)・子ども・子育て支援金分の4区分で計算され、それぞれに賦課限度額があります。料率も均等割額も自治体ごとに異なるため、正確な額はお住まいの自治体の通知でご確認ください。国保シミュレーターで概算が出せます。金額は概算・目安です。
Q. 令和8年度から国民健康保険は何が変わりましたか?
これまでの3区分に「子ども・子育て支援納付金分」(賦課限度額3万円)が新設され、4区分になりました。あわせて賦課限度額の合計が109万円から113万円へ引き上げられ、医療分の限度額も66万円から67万円になりました。複数の自治体の令和8年度の公式案内で確認できる変更です。
Q. 国民健康保険料は自治体によってどのくらい違いますか?
料率と均等割額は自治体の条例で定められるため、同じ所得でも住む場所で変わります。令和8年度の例では、医療分の所得割率が東京23区(統一料率)7.51%、名古屋市8.83%、医療分の均等割が東京23区47,600円、名古屋市50,591円と差があります。数万円単位で変わることもあるため、正確な額はお住まいの自治体の通知でご確認ください。
Q. 国民健康保険料が軽減される条件はありますか?
世帯の前年所得が一定以下のとき、均等割が7割・5割・2割軽減されます。令和8年度の基準は、7割が43万円+〔(給与所得者等の数−1)×10万円〕以下、5割が43万円+(加入者数×31万円)+〔同〕以下、2割が43万円+(加入者数×57万円)+〔同〕以下です。軽減を受けるには所得の申告が必要で、基準は毎年度改定されます。
Q. 会社を辞めたら国民健康保険料はいくらになりますか?
国保料は前年の所得をもとに計算されるため、退職直後は在職時の所得で保険料が決まり、想定より高く感じることがあります。会社の健康保険を最長2年間続ける「任意継続」という選択肢もあり、どちらが安いかは人により異なります。まずは国民健康保険料の概算を計算し、任意継続の保険料と比べて検討するのが安心です。金額は概算・目安です。

あわせて読む: 国民年金の保険料や付加・前納の得は国民年金はいくら?令和8年度の保険料・付加・前納・免除、会社員の健康保険や社会保険のしくみは社会保険料とは?給与明細の5項目、厚生年金の保険料は厚生年金保険料はいくら?で解説しています。

🧮 国民健康保険料を計算する(国保シミュレーター) 🧮 フリーランス・個人事業主の手取りを計算する
本記事は一般的な制度の解説で、金額・料率は概算・目安です(2026年7月時点・令和8年度)。国民健康保険料の区分・料率・均等割額・軽減の基準は自治体ごとに条例で定められ、同じ所得でも金額が異なります。本記事の料率は東京23区(特別区統一料率)と名古屋市の令和8年度の例で、試算はその料率による概算です。正確な保険料や軽減の適用は、お住まいの自治体の通知・窓口でご確認ください。個別のご相談には対応していません。
国保シミュレーターへ

参考にした一次情報