最終更新: (2026年7月時点の制度に基づく)
「退職給付金」と失業手当の違いとは?混同しやすい言葉を中立に整理
結論: 「退職給付金」は法律上の正式な給付名ではありません。この言葉は、①会社が支払う退職金(退職一時金・企業年金など)と、②ネット広告などで見かける「給付金サポート」系サービスの宣伝用語の、2つの意味で使われています。一方の「失業手当」は、雇用保険から支給される正式な給付「基本手当」の通称です。名前が似ていて混同しやすいので、それぞれが何を指すのかを中立に整理します。
📌 この記事の立場: 特定の事業者やサービスを名指しして評価・推奨・批判することはしません。公的な給付の仕組みと、言葉の意味の交通整理に徹します。
「退職給付金」という言葉の2つの使われ方
| ①会社の退職金 | 退職一時金・企業年金など。会社が退職金規程に基づいて支払う。会社ごとに有無・金額が違う |
|---|---|
| ②広告の宣伝用語 | 「社会保険給付金サポート」系サービスの広告で使われる言い方。実体は失業保険や傷病手当金などの公的給付の組み合わせを指すことが多い |
同じ「退職給付金」でも①と②は全く別物です。②で語られる給付の中身は、下で説明する公的な制度です。
「失業手当」は雇用保険の正式な給付
「失業手当」「失業保険」は、雇用保険から支給される基本手当の通称です。退職して働ける状態にあり、求職活動をしている人に、退職前の給料をもとに計算した金額が、一定の日数分支給されます。基本手当は非課税(雇用保険法第12条)で、申請は住所地のハローワークで本人が無料で行えます。金額や日数の目安は失業保険シミュレーションで試算できます。
広告の「退職給付金」の実体は公的給付
ネット広告などで「退職後にもらえる給付金」として語られるものの実体は、多くの場合、次のような公的な給付の組み合わせです。いずれも新しい特別な制度ではなく、以前からある公的給付です。
| 失業保険 (基本手当) | 雇用保険の給付。働ける状態で求職活動をする人に支給。窓口はハローワーク。もらえる期間の解説 |
|---|---|
| 傷病手当金 | 健康保険の給付。病気やけがで働けないときの生活保障。窓口は加入する健康保険(協会けんぽ・健康保険組合など)。傷病手当金とは |
これらは前提となる状態が異なります(失業保険=働ける/傷病手当金=働けない)。詳しくは各解説記事をご覧ください。
これらの給付は自分で無料で申請できる
重要なのは、失業保険も傷病手当金も、本人が公的窓口で無料で申請できるという点です。失業保険はハローワーク、傷病手当金は加入している健康保険が窓口で、申請書類の書き方や要件は各窓口で無料で相談できます。有料の代行・助言サービスを使わなければ受け取れない、というものではありません。
また、失業保険や傷病手当金には公的に定められた受給要件があります。要件を満たさない人が、サポートを使うことで受給できるようになるわけではない、という点も押さえておきましょう。
有料サポートを検討するときの確認ポイント
申請の代行や助言をうたう有料サービスを使うかどうかは本人の判断です。契約前に、次のような点を確認しておくと、後で「思っていたのと違う」を避けやすくなります(一般的な確認事項であり、特定の事業者を指すものではありません)。
- 料金体系: 定額か、受け取る給付額に対する成功報酬(割合)か。総額でいくらかかるか。
- 自分で申請した場合との差: 有料サービスが具体的に何を代行・助言してくれるのか、公的窓口の無料相談で足りないのか。
- 受給額の表示: 「必ず◯◯万円もらえる」など、断定的・誇大な表現になっていないか。実際の金額は個々の状況で変わります。
- 契約・解約の条件: 途中で解約できるか、その際の費用はどうなるか。
- 公的窓口への相談: 契約前に、まずハローワークや加入する健康保険に無料で相談したか。
迷ったときは、まず無料の公的窓口に相談し、そのうえで有料サービスの必要性を判断するのが安全です。
よくある質問
- Q. 退職給付金と失業手当は何が違いますか?
- 「退職給付金」は正式な給付名ではなく、①会社が払う退職金と、②広告の「給付金サポート」系の宣伝用語の2つで使われます。「失業手当」は雇用保険の正式な給付「基本手当」の通称です。②で語られる給付の実体は、失業保険や傷病手当金などの公的給付で、多くは自分で無料で申請できます。
- Q. 退職給付金は自分で申請できますか?
- 実体である失業保険はハローワークで、傷病手当金は加入する健康保険で、いずれも本人が無料で申請できます。会社の退職金は退職金規程に基づき会社から支払われるので、こちらは勤務先に確認します。
- Q. 給付金サポートの有料サービスは使うべきですか?
- 判断は本人次第ですが、料金体系(成功報酬の割合など)、自分で申請した場合との差、誇大な受給額をうたっていないか、解約条件などを契約前に確認しましょう。要件を満たさない人が受給できるようになるわけではありません。まず公的窓口に無料で相談するのが安全です。
- Q. 失業手当と傷病手当金は同時にもらえますか?
- 原則、同時には受け取れません。失業保険は「働ける人」、傷病手当金は「働けない人」への給付で前提が逆だからです。病気などで働けない場合は、失業保険の受給期間を延長し、まず傷病手当金を受け、働けるようになってから失業保険に切り替える順になることがあります。
それぞれの制度は次のページで詳しく確認できます。失業保険の金額・日数は失業保険シミュレーション、会社の退職金の手取りは退職金の手取り計算、病気・けがで働けないときは傷病手当金の計算で試算できます。
参考にした一次情報
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」 — 失業手当(基本手当)の対象・支給の考え方。hellowork.mhlw.go.jp(2026年7月22日取得)
- 国税庁タックスアンサー等 / 雇用保険法第12条 — 雇用保険の求職者給付(基本手当等)は非課税。(2026年7月22日取得)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」 — 傷病手当金の支給の考え方・窓口。kyoukaikenpo.or.jp(2026年7月22日取得)
- 本記事に個別の金額は記載していません。金額の目安は当サイトの各計算ツール(公式の計算式・確立表に基づく)でご確認ください。