給料の「引かれるお金」がぜんぶわかる

最終更新: (令和8年分・国税庁質疑応答事例/タックスアンサーNo.1128に基づく)

歯列矯正は医療費控除の対象?——子どもの矯正・大人の矯正の線引き

結論から言うと、歯列矯正が医療費控除の対象になるかは「年齢」ではなく「治療目的か・美容目的か」で決まります。発育段階の子どもの不正咬合の矯正など、社会通念上必要と認められる矯正は対象。一方、容ぼうの美化や、就職・結婚を考えての矯正は対象外です。この記事では、国税庁が示している区分を逐語ベースで整理し、子ども・大人それぞれの考え方と確認先をまとめます(金額の相場は国税庁に基準がないため示しません)。

はじめに:判定の軸は「年齢」ではなく「目的」

「子どもの矯正だから対象」「大人だから対象外」と年齢で線引きされる、と思われがちですが、国税庁が示す判定の軸は年齢ではありません。「歯列矯正を受ける者の年齢や矯正の目的などからみて社会通念上必要と認められる場合」が対象、というのが国税庁の考え方です(2026年7月24日取得)。

まず制度全体を知りたい方は医療費控除とは(仕組み・いくらから・いくら戻る)を、対象・対象外の全体像は医療費控除の対象・対象外一覧をご覧ください。

1. 国税庁が示す区分(逐語)——社会通念上必要な矯正は対象、美化目的は対象外

国税庁の質疑応答事例「歯列を矯正するための費用」は、次のように述べています(逐語・2026年7月24日取得)。

発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正のように、歯列矯正を受ける者の年齢や矯正の目的などからみて社会通念上歯列矯正が必要と認められる場合の費用は、医療費控除の対象となります。ただし、容姿を美化し又は容貌を変えるための歯列矯正の費用は、医療費控除の対象とはなりません。

タックスアンサー No.1128 でも同様に、「発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正のように、歯列矯正が必要と認められる場合の費用は、医療費控除の対象になります。しかし、同じ歯列矯正でも、容ぼうを美化するための費用は、医療費控除の対象になりません」と整理されています(逐語)。

◯ 対象発育段階の子どもの不正咬合の矯正など、年齢や目的からみて社会通念上必要と認められる矯正の費用
✕ 対象外容姿を美化し又は容貌を変えるための矯正の費用/就職や結婚を考慮した矯正の費用

2. 大人の矯正は?——治療目的なら対象になり得る

国税庁は「年齢や矯正の目的などからみて社会通念上必要と認められる場合」を対象としており、年齢だけで一律に決まるわけではありません。かみ合わせなど機能的な問題の治療を目的とする矯正であれば、大人でも対象になり得ます。逆に、子どもの矯正でも見た目を整えることが主な目的と判断される場合は対象外になり得ます。

一方で、就職や結婚を考えての矯正について国税庁は「一般的に容姿を美化し又は容貌を変えるためのものであると認められ、この場合の費用は、医療費控除の対象とはなりません」と明記しています(逐語)。実際に対象になるかは治療の必要性など個別の事情で変わるため、本記事では個別の可否を断定しません。判断に迷う場合は税務署にご確認ください。インプラントの扱いはインプラントは医療費控除の対象?で解説しています。

3. 「矯正は◯◯万円が相場」という金額は載せていません(理由)

医療費控除で対象になるのは、「その病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分」とされています(No.1122・逐語)。国税庁は矯正費用の相場や「いくらまでなら対象」という金額の目安を定めていません。判断されるのは金額ではなく、治療として必要と認められるかどうかです。

そのため本記事では、根拠のない相場金額は示していません。実際に戻る税額を知りたい場合は、その年に支払った医療費の合計(補填される金額を差し引いた額)をもとに、シミュレーターで目安を確認するのが確実です。

🧮 1年間の医療費の合計から「いくら戻るか」の目安を試算する(医療費控除シミュレーター)

4. 迷ったときの確認先・次に読みたい記事

よくある質問

Q. 子どもの歯列矯正は医療費控除の対象になりますか?
発育段階にある子どもの成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の矯正のように、社会通念上必要と認められる矯正の費用は対象です(質疑応答事例・No.1128)。ただし子どもの矯正でも、容ぼうを美化することが主な目的と判断される場合は対象外になり得ます。個別の判断は税務署にご確認ください。
Q. 大人の歯列矯正は対象になりますか?
国税庁は「年齢や矯正の目的などからみて社会通念上必要と認められる場合」を対象としています。年齢だけで一律に決まるわけではなく、かみ合わせなど機能的な問題の治療を目的とする矯正であれば、大人でも対象になり得ます。一方、容姿を美化する・容貌を変える目的の矯正は対象外です。実際の可否は個別の事情によるため、税務署にご確認ください。
Q. 見た目をよくするための矯正は対象になりますか?
容姿を美化し、又は容貌を変えるための矯正の費用は対象になりません(質疑応答事例・逐語)。No.1128でも、容ぼうを美化するための費用は対象にならないと明記されています。治療としての必要性ではなく見た目を整えることが主な目的の場合は対象外という整理です。
Q. 就職や結婚を考えて矯正した費用は対象ですか?
将来の就職や結婚を考慮しての矯正は、一般的に容姿を美化し又は容貌を変えるためのものと認められ、この場合の費用は対象になりません(質疑応答事例・逐語)。目的が治療ではなく容姿を整えることにあると判断されるためです。個別の判断は税務署にご確認ください。
Q. 歯列矯正が対象になるかは年齢で決まりますか?
年齢だけで決まるわけではありません。国税庁は「年齢や矯正の目的などからみて社会通念上必要と認められる場合」を対象としており、判定の軸は年齢ではなく治療目的か美容目的かです。子どもでも美容目的なら対象外、大人でも治療目的の矯正なら対象になり得ます。個別の可否は税務署にご確認ください。

参考にした一次情報(取得日2026年7月24日)

本記事は一般的な制度の解説です(2026年7月24日時点。国税庁質疑応答事例・タックスアンサーに基づく)。同じ矯正でも治療目的か・美容目的かなど個別の事情によって扱いが変わり、本記事は代表的な区分の説明で個別の可否を断定するものではありません。個別の可否の最終判断は、税務署や国税庁の確定申告書等作成コーナーでご確認ください。医療費控除でいくら戻るかの目安はシミュレーターで確認できます(金額はすべて概算・目安です)。個別のご相談には対応していません。
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