最終更新: (厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」に基づく)
退職金の相場・平均はいくら?学歴・勤続年数・企業規模別に公的統計で解説
結論: 定年退職者の平均退職給付額は、大学・大学院卒でおよそ1,896万円、高校卒(管理・事務・技術職)でおよそ1,682万円が一つの目安です(厚生労働省の全国調査)。ただしこれはあくまで統計上の平均で、あなたの退職金は勤務先の退職金規程の計算式で決まります。まずは相場観をつかみ、正確な金額は会社の規程で確認しましょう。
📌 先に大事なこと: 退職金に「全国一律の金額」はありません。この記事の数字は公的統計の平均値です。自分の退職金は、勤務先の退職金規程(就業規則)が唯一の正解です。相場は「多いか少ないかを判断する物差し」として使ってください。
定年退職の相場(学歴・職種別の平均)
厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」による、勤続20年以上かつ45歳以上で定年退職した人の1人平均退職給付額です(令和4年〈2022年〉の退職者が対象。退職一時金と退職年金〈現価額〉の合計)。
| 大学・大学院卒 (管理・事務・技術職) | 1,896万円 |
|---|---|
| 高校卒 (管理・事務・技術職) | 1,682万円 |
| 高校卒(現業職) | 1,183万円 |
学歴・職種で数百万円の差があります。あくまで平均で、同じ学歴でも会社によって大きく上下します。
退職金制度の形で相場は変わる(一時金だけ/年金あり)
退職金には「退職一時金(まとめて受け取る)」と「退職年金(分割で受け取る)」があり、どちらの制度を持つ会社かで平均額が変わります。下は同じ定年退職者(勤続20年以上・45歳以上)を、制度の形態別に見た1人平均額です(同調査)。
| 退職一時金 制度のみ | 退職年金 制度のみ | 両制度 併用 | |
| 大学・大学院卒 (管理・事務・技術職) | 1,623万円 | 1,801万円 | 2,261万円 |
| 高校卒 (管理・事務・技術職) | 1,378万円 | 1,613万円 | 2,145万円 |
| 高校卒(現業職) | 956万円 | 1,451万円 | 1,469万円 |
一時金だけの会社より、退職年金を併用している会社のほうが平均額は高い傾向です。自分の会社がどの形かは退職金規程で確認できます。
そもそも退職金がある会社は約75%
退職金(退職給付)は法律で義務づけられた制度ではありません。同調査では、退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は74.9%。裏を返すと、およそ4社に1社は退職金制度そのものがないということです。
| 退職給付制度がある企業の割合 (令和5年就労条件総合調査・全国) | 74.9% |
|---|---|
| 退職金制度がある企業の割合 (令和6年・東京都の中小企業対象) | 64.2% |
中小企業を対象にした東京都の調査ではさらに低くなります。企業規模が小さいほど「制度なし」や金額が低くなる傾向があります。
退職理由でも金額は変わる
同じ勤続でも、辞めた理由で金額が変わります。同調査で、勤続20年以上・45歳以上の退職者の退職理由の割合は次のとおりです。
| 定年 | 56.5% |
|---|---|
| 自己都合 | 31.7% |
| 会社都合 | 6.1% |
| 早期優遇(早期退職) | 5.7% |
多くの退職金規程では、自己都合退職は定年・会社都合より支給率(掛け率)が低く設定されています。同じ勤続年数でも「いつ・どんな理由で辞めるか」で手取りは変わります。
退職金の「手取り」はいくら?税金が優遇される仕組み
退職金は「退職所得」として、給与とは別に大きく優遇された計算で税金が決まります。①勤続年数に応じた退職所得控除を差し引き、②残りの2分の1にだけ課税されるため、税金は少なめです。控除額は勤続20年までが「40万円×年数」、20年超は「800万円+70万円×(勤続年数−20年)」です(国税庁 No.1420)。
勤続年数が長いと控除額が退職金を上回り、税金が0円=全額が手取りになることも珍しくありません。下は当サイトの退職金の手取り計算(国税庁・総務省の計算式に基づく)で試算した目安です(「退職所得の受給に関する申告書」を提出した一般退職のケース)。
| 税金の目安 | 手取りの目安 | |
| 退職金1,000万円 勤続30年 | 0円 | 約1,000万円 |
| 退職金1,896万円 勤続38年(大卒定年の目安) | 0円 | 約1,896万円 |
| 退職金2,000万円 勤続35年 | 約11万円 | 約1,989万円 |
| 退職金2,500万円 勤続38年 | 約35万円 | 約2,465万円 |
上記は概算です。役員の方や勤続5年以下の場合、社会保険料などの扱いで結果が変わることがあります。金額を入れて試算するのが確実です。
自分の退職金の手取りを試算するよくある質問
- Q. 退職金の相場・平均はいくらですか?
- 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」では、勤続20年以上かつ45歳以上で定年退職した人の1人平均退職給付額は、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)で1,896万円、高校卒(管理・事務・技術職)で1,682万円、高校卒(現業職)で1,183万円です(令和4年の退職者が対象)。ただしこれは全国の統計上の平均で、実際の金額は勤務先の退職金規程で決まります。
- Q. 退職金は必ずもらえますか?
- 退職金(退職給付)は法律で義務づけられた制度ではありません。同調査では、退職給付制度がある企業の割合は74.9%で、およそ4社に1社は制度そのものがありません。制度の有無・金額・条件は会社ごとに異なるため、まず勤務先の退職金規程を確認してください。
- Q. 退職金の相場は何で変わりますか?
- 学歴・職種、勤続年数、企業規模、退職理由(定年・自己都合・会社都合など)で変わります。一般に勤続年数が長いほど金額は上がり、退職年金を併用する会社のほうが平均額は高い傾向です。統計はあくまで目安で、自分の金額は退職金規程の計算式で決まります。
- Q. 退職金にかかる税金や手取りはどれくらいですか?
- 退職金は「退職所得」として、勤続年数に応じた退職所得控除を差し引き、残った額の2分の1に課税される優遇された仕組みです。勤続年数が長いと控除額が大きく、退職金が控除の範囲内なら税金がかからず全額が手取りになることもあります。目安は退職金の手取り計算で試算できます。
参考にした一次情報
- 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」4 退職給付(一時金・年金)の支給実態 — 定年退職者の学歴別・制度形態別の1人平均退職給付額、退職事由別割合。mhlw.go.jp(2026年7月22日取得。調査対象=令和4年の退職者)
- 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」退職手当制度がある企業の割合 74.9% / 支給月数。mhlw.go.jp(PDF)(2026年7月22日取得)
- 東京都産業労働局「令和6年 中小企業の賃金・退職金事情」退職金制度がある企業の割合 64.2%(上記PDF内に収録・東京都調査)。(2026年7月22日取得)
- 国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」退職所得控除額の計算式・2分の1課税。nta.go.jp(2026年7月22日取得)
- 手取りの試算は当サイトの退職金手取り計算エンジン(国税庁・総務省の計算式に基づく確定計算)の出力です。