最終更新: (2026年7月時点の制度に基づく)
退職金はいつもらえる?いつ振り込まれる?支払時期の目安と法律の考え方
結論: 退職金がいつもらえるかに、全国一律の法律の定めはありません。支払時期は勤務先の就業規則・退職金規程で決まっているので、まずそこを確認します。実務上は退職後おおむね1〜2か月で振り込まれる例が多いですが、これはあくまで目安。企業年金などは手続きに時間がかかることもあります。
📌 この記事の見かた: 「◯日以内に必ず振り込まれる」といった一律ルールはありません。答えはあなたの会社の退職金規程にあります。この記事は、規程を確認するための「考え方の地図」です。
まず結論:時期は「退職金規程」で決まる
退職金(退職給付)は法律で義務づけられた制度ではなく、会社が独自に設けるものです。そのため、支給の有無・金額だけでなく「いつ支払うか」も会社が退職金規程(就業規則の一部)で定めます。退職金制度を設ける場合、会社は支払時期を就業規則に定めることになっています。まずは自分の会社の規程で、支払時期の条文を確認するのが最短です。
労働基準法23条との関係(7日以内は退職金には直接あてはまらない)
「退職したら7日以内に払われるはず」と聞いたことがあるかもしれません。これは労働基準法第23条(金品の返還)の話です。同条は、労働者の退職・死亡の際に権利者から請求があれば、7日以内に賃金を支払い、積立金や保証金などを返すよう定めています。
ただし退職手当(退職金)は、この7日以内ルールの例外として扱われます。退職金については、あらかじめ就業規則等で定めた支払時期に支払えばよいとされ、規程の時期が優先されます(定めがない場合は請求から7日以内)。つまり「退職の翌週に必ず振り込まれる」わけではなく、規程で「退職月の翌々月末」などと定められていれば、その時期になります。
よくある支払時期のパターン(あくまで目安)
規程の定め方は会社ごとに違いますが、実務でよく見られる「目安」は次のようなものです。下は法律で決まった時期ではなく、あくまで一般的な傾向です。
| 退職一時金 (まとめて受け取る) | 退職後1〜2か月で振り込まれる例が多い。規程で「退職日の翌月末」「翌々月◯日」などと定められていることが多い |
|---|---|
| 企業年金・確定給付企業年金 | 運営機関を通じた請求手続きが必要。手続き後、数週間〜数か月かかることがある |
| 確定拠出年金 (企業型・iDeCo) | 運営管理機関への請求が必要。受け取り方(一時金/年金)の選択や書類確認で時間がかかりやすい |
「一時金は比較的早く、年金・確定拠出年金は手続きに時間がかかりやすい」と覚えておくと見通しが立てやすくなります。正確な時期は規程と各運営機関の案内で確認してください。
なかなか振り込まれないときの確認手順
「予定日を過ぎても入らない」と感じたら、あわてず次の順で確認しましょう。
- ①退職金規程で支払時期を確認: そもそも予定日を過ぎているのかを、まず事実として確かめます。
- ②手続きの要否を確認: 企業年金・確定拠出年金は、自分で請求手続きをしないと支払われないことがあります。案内が届いていないか確認します。
- ③人事・総務に問い合わせ: 支給予定日と現在の手続き状況を確認します。振込先口座の届け出漏れがないかも確認を。
- ④公的窓口に相談: 規程の時期を過ぎても支払われない・話が進まない場合は、住所地を管轄する労働基準監督署・労働局の相談窓口に相談できます(無料)。
支給額に争いがある場合でも、異議のない部分については請求から7日以内に支払うこととされています。まずは事実確認から始めましょう。
受け取る前に:手取りと「申告書」の確認を
退職金は「退職所得」として税金が優遇され、勤続年数に応じた退職所得控除を差し引いた残りの2分の1にだけ課税されます。振込の時期が多少前後しても、この計算方法は変わりません。ただし「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出したかで源泉徴収の額が変わります(未提出だと一律20.42%が引かれ、あとで確定申告が必要になります)。受け取り前に会社へ確認しておくと安心です。
振り込まれるおおよその手取りは、退職金の額と勤続年数を入れるだけで試算できます。
退職金の手取りを試算するよくある質問
- Q. 退職金はいつもらえますか?いつ振り込まれますか?
- 支払時期に全国一律の法律の定めはありません。時期は勤務先の就業規則・退職金規程で決まっており、まずそこを確認します。実務上は退職後おおむね1〜2か月で振り込まれる例が多いですが、あくまで目安です。企業年金や確定拠出年金は手続きに時間がかかることがあります。
- Q. 退職金の支払時期は法律で決まっていますか?
- 退職金そのものの支払時期を一律に定めた法律はありません。労働基準法第23条は退職・死亡時に請求から7日以内の賃金支払い等を定めますが、退職手当はあらかじめ就業規則等で定めた時期でよいとされ、規程の時期が優先されます(定めがなければ請求から7日以内)。
- Q. 退職金がなかなか振り込まれません。どうすればよいですか?
- まず規程で支払時期を確認し、企業年金・確定拠出年金は請求手続きが済んでいるかを確認します。予定日を過ぎても入らない場合は人事・総務に状況を確認し、それでも解決しなければ労働基準監督署・労働局の相談窓口に相談できます。
- Q. 退職金の振込が遅いと税金や手取りは変わりますか?
- 振込の時期が前後しても、退職所得控除と2分の1課税という計算方法は変わりません。手取りは退職金の額と勤続年数で決まります。ただし「退職所得の受給に関する申告書」の提出有無で源泉徴収額が変わるため、受け取り前に会社へ確認しておきましょう。目安は退職金の手取り計算で試算できます。
参考にした一次情報
- 労働基準法第23条(金品の返還) — 退職・死亡時、権利者の請求から7日以内に賃金等を支払う。退職手当はあらかじめ定めた支払時期でよい旨。e-Gov法令検索(2026年7月22日取得)
- 厚生労働省(都道府県労働局)「賃金支払いに関する事項」「退職金等について」 — 退職手当の支払時期はあらかじめ定めた時期に、定めがなければ請求から7日以内。就業規則に退職金の定めがあれば労働基準法上の賃金として請求できる。群馬労働局 / 大阪労働局(いずれも2026年7月22日取得)
- 国税庁「No.2732 退職手当等に対する源泉徴収」「退職所得の受給に関する申告書」提出の有無による源泉徴収の違い。nta.go.jp(2026年7月22日取得)