最終更新: (令和8年分・国税庁タックスアンサーNo.1122関連QA/質疑応答事例に基づく)
レーシック・眼鏡・コンタクトは医療費控除の対象?——同じ「視力矯正」で扱いが違う理由
結論から言うと、同じ視力を良くするための費用でも、医療費控除の扱いは「何のために・どんな症状で使うか」で分かれます。レーシック(視力回復レーザー手術)は、眼の機能そのものを医学的な方法で正常な状態に回復させる治療なので対象。一方で近視・遠視のふだん使いの眼鏡やコンタクトは原則として対象外です。ただし、弱視・斜視・白内障の術後など、医師の治療のために直接必要な眼鏡なら対象になります。「同じ視力矯正なのに、なぜ扱いが違うのか」を、国税庁の区分にそって整理しました(具体的な戻り額の目安はシミュレーターで/金額はすべて概算・目安です)。
はじめに:この記事は「対象・対象外の考え方」を整理したものです
医療費控除の対象になるかは、同じ費目でも治療のために直接必要かどうかで変わります。本記事は国税庁が示す代表的な区分を整理したもので、個別のケースの可否を断定するものではありません。判断に迷う費用は、税務署や国税庁の「確定申告書等作成コーナー」でご確認ください。まず制度全体を知りたい方は医療費控除とは(仕組み・いくらから・いくら戻る)を、対象・対象外の全体像は医療費控除の対象になるもの・ならないもの一覧をご覧ください。
1. まず結論——視力矯正は「3つ」に分かれる
視力を良くするための費用は、医療費控除の観点では大きく3つに分かれます(国税庁 No.1122関連QA・質疑応答事例、2026年7月24日取得)。
| 扱い | 主な例 |
|---|---|
| ◯ 対象 | レーシック(視力回復レーザー手術)——眼の機能を医学的な方法で正常な状態に回復させる治療 |
| ✕ 原則 対象外 | 近視・遠視のふだん使いの眼鏡・コンタクト——日常の視力矯正のためのもの |
| ◯ 対象(例外) | 治療に直接必要な眼鏡——弱視の子どもの治療用、白内障の術後に一定期間装用するものなど |
同じ「視力矯正」でも、治療そのものか/日常の便利さのためかで線が引かれます。次の章から一つずつ見ていきます。
2. なぜレーシックは対象なのか
国税庁の質疑応答(No.1122関連QA)では、レーシックについて次のように説明されています。視力回復レーザー手術(レーシック手術)は、角膜にレーザーを照射して近視や乱視などを治療し、視力を矯正する手術であり、眼の機能それ自体を医学的な方法で正常な状態に回復させるもの。そのため、その費用は医師の診療または治療の対価と認められ、医療費控除の対象になります(2026年7月24日取得)。
ポイントは、眼鏡やコンタクトのように「道具で見え方を補う」のではなく、眼そのものの機能を医学的に回復させる治療だという点です。この「治療の対価かどうか」が、医療費控除の対象・対象外を分ける基本的な考え方になります。
3. なぜ日常の眼鏡・コンタクトは対象外なのか
一方で、一般的な近視や遠視の矯正のための眼鏡の購入費用は、医療費控除の対象になりません(国税庁 質疑応答事例・2026年7月24日取得)。日常生活で見えづらさを補うための眼鏡は、病気の「治療」ではなく道具の購入と整理されるためです。
コンタクトレンズも同じ考え方で、日常の視力矯正のためのものは原則として対象外です。ただし、次章のように「医師等の治療を受けるため直接必要なもの」であれば、対象になる場合があります。
4. 例外——「治療に直接必要な眼鏡」は対象になる
日常用の眼鏡が原則対象外である一方、医師等の治療を受けるため直接必要な眼鏡であれば、医療費控除の対象になります(国税庁 質疑応答事例・2026年7月24日取得)。国税庁が挙げている対象になる例は次のとおりです。
| 対象になる眼鏡の例 | 視機能が未発達の子どもの治療を行っている医師が、視力の発育を促すために眼鏡の使用を指示した場合の購入費用/白内障の患者が、術後の創口の保護と、創口が治癒するまでの視機能回復のために一定期間装用する眼鏡の購入費用 |
|---|
ただし、どんな眼鏡でも医師の指示さえあれば対象になるわけではありません。国税庁は要件を次のように示しています。眼鏡の購入費用で医療費控除の対象となるものは、医師による治療を必要とする症状を有し、かつ、医師による治療が現に行われていることが必要です(質疑応答事例・逐語)。弱視・斜視・白内障術後などが典型例として挙げられます。
フレームの材料についても区分があります。プラスティックやチタンなど一般的に使用されている材料であれば購入費用は対象ですが、特別に高価な材料を使用したものや特別の装飾を施したものなど、奢侈(しゃし)にわたるものは除かれます(質疑応答事例・逐語)。
5. 「同じ視力矯正なのに」——線引きの考え方
ここまでを整理すると、医療費控除の線引きは「眼の機能そのものを治療しているか」「医師の治療のために直接必要か」という視点で決まります。
- レーシック — 眼の機能を医学的に回復させる治療 → 対象
- 近視・遠視の日常用の眼鏡・コンタクト — 日常の視力矯正のための道具 → 原則 対象外
- 弱視・斜視・白内障術後などの治療用眼鏡 — 医師の治療に直接必要 → 対象(症状があり、治療が現に行われていることが要件)
実際に対象になるか、いくら戻るかは個別の事情や医療費の合計によって変わります。判断に迷う費用は税務署でご確認ください。戻り額の目安を知りたい方は下のシミュレーターへ。
🧮 医療費の合計から「いくら戻るか」の目安を試算する(医療費控除シミュレーター)6. 迷ったときの確認先・次に読みたい記事
- 個別の費用が対象になるか確認したい — 税務署、または国税庁の確定申告書等作成コーナー
- 対象・対象外の全体像を知りたい — 医療費控除の対象になるもの・ならないもの一覧
- 制度の仕組み・いくらから・いくら戻るを知りたい — 医療費控除とは
- 申告のやり方・明細書の書き方を知りたい — 医療費控除のやり方(確定申告・明細書)
- 人間ドック・健康診断の扱いを知りたい — 人間ドック・健康診断は医療費控除の対象?
- 自分はいくら戻るのか試算したい — 医療費控除シミュレーター
よくある質問
- Q. レーシック手術は医療費控除の対象ですか?
- 視力回復レーザー手術(レーシック手術)は、角膜にレーザーを照射して近視や乱視などを治療し、視力を矯正する手術で、眼の機能それ自体を医学的な方法で正常な状態に回復させるものです。その費用は医師の診療または治療の対価と認められ、医療費控除の対象になります(国税庁 No.1122関連の質疑応答)。個別の可否は最終的に税務署の判断になります。
- Q. 近視や遠視のふだん使いの眼鏡・コンタクトは対象ですか?
- 一般的な近視や遠視の矯正のための眼鏡の購入費用は、医療費控除の対象になりません(国税庁 質疑応答事例)。コンタクトレンズも同じ考え方で、日常の視力矯正のためのものは原則として対象外です。ただし、医師等の治療を受けるため直接必要なものであれば対象になる場合があります。判断に迷う費用は税務署でご確認ください。
- Q. 子どもの弱視治療のための眼鏡は対象ですか?
- 視機能が未発達の子どもの治療を行っている医師が、視力の発育を促すために眼鏡の使用を指示した場合の購入費用は、医療費控除の対象になります(国税庁 質疑応答事例)。対象になるのは、医師による治療を必要とする症状があり、かつ医師による治療が現に行われている場合です。最終的な判断は税務署にご確認ください。
- Q. 白内障の手術後に使う眼鏡は対象ですか?
- 白内障の患者が、術後の創口の保護と、創口が治癒するまでの視機能回復のために一定期間装用する眼鏡の購入費用は、医療費控除の対象になります(国税庁 質疑応答事例)。医師による治療を必要とする症状があり、かつ治療が現に行われていることが要件です。個別の判断は税務署でご確認ください。
- Q. 眼鏡のフレームが高価だと対象外になりますか?
- 治療に直接必要な眼鏡として対象になる場合、フレームについても、プラスティックやチタンなど一般的に使用されている材料であれば購入費用が対象になります。ただし、特別に高価な材料を使用したものや特別の装飾を施したものなど、奢侈(しゃし)にわたるものは除かれます(国税庁 質疑応答事例)。判断に迷う場合は税務署でご確認ください。