給料の「引かれるお金」がぜんぶわかる

最終更新: (日本年金機構・厚生労働省の情報に基づく)

106万の壁とは?——勤務先で社会保険に加入するラインと実額【2026年】

結論として、106万の壁とは、条件を満たす勤務先で本人が社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する年収ラインです。月額賃金8.8万円(年収約106万円)と、週20時間以上などの条件を満たすと加入し、保険料は会社と折半になります。加入したときの本人負担は、月収8.8万円で月約1.3万円が目安です。なお、この「月8.8万円」という賃金要件は、2025年成立の年金制度改正法で撤廃される方向(時期は確定前)です。以下は概算・目安で、最終的な判定は勤務先・年金事務所にご確認ください。

106万の壁とは?(結論)

106万の壁は、パート・アルバイトが勤務先の社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する条件のことです。年収でおおよそ106万円(月額賃金8.8万円)が目安になるため「106万の壁」と呼ばれます。この条件を満たすと、これまで配偶者などの扶養に入っていた人も自分で勤務先の社会保険に加入し、給与から保険料が引かれるようになります。ただし保険料は会社と折半で、あとで見るように将来の年金が増えるなどのメリットもあります。

大切なのは、これはあなた自身の所得税がかかる「税の壁」とは別の制度だという点です。所得税の課税ライン(令和8年分以後は給与収入190万円以下で178万円)とは仕組みが違い、社会保険は税制改正の影響を受けません。壁全体の整理は年収の壁とは(税と社保の整理)をご覧ください。

106万の壁の加入条件は?——主な5つ

勤務先の社会保険に加入するかどうかは、次の条件の組み合わせで決まります。すべてを満たすと加入対象になります。

条件内容
①労働時間週の所定労働時間が20時間以上
②賃金月額賃金8.8万円以上(年収約106万円相当。残業代・賞与・通勤手当などは含めずに判定)
③雇用期間2か月を超える雇用の見込みがある
④学生でない昼間の学生は対象外(定時制・通信制などは対象になる場合あり)
⑤勤務先の規模従業員数など勤務先の適用要件を満たす(対象範囲は段階的に拡大中)

※条件は概算・目安です。自分の勤務先が適用対象かは、勤務先または年金事務所にご確認ください。

106万の壁を超えると月いくら引かれる?(実額)

加入したときの本人負担と手取りは、当サイトの検証済み計算エンジンで次のようになります(2026年度・東京都=協会けんぽ・39歳以下の概算)。

月収社会保険料(本人負担)手取り
8.8万円12,927 円約75,073 円
10.9万円16,153 円約92,146 円

内訳(月収8.8万円の場合): 健康保険4,334円+厚生年金8,052円+雇用保険440円+子ども・子育て支援金101円。所得税・住民税は僅少のため社会保険料のみ表示。他の月収での実額・内訳や加入のしくみはパートの社会保険料(社保加入の入口)で解説しています。

「損」なだけ?——加入のメリット

手取りは確実に減りますが、106万の壁を超えて勤務先の社会保険に加入することには、次のようなメリットもあります。

一方で、壁の手前に抑えるか大きく越えるかの中間帯が最も手取りの逆転(働き損)が起きやすい構造です。実際の損得は下のツールで確認できます。

106万の壁は撤廃される?いつからなくなる?

2025年(令和7年)6月に成立・公布された年金制度改正法で、106万の壁のうち「月額賃金8.8万円以上」という賃金要件は撤廃される方向です。ただし撤廃の時期は「公布(2025年6月20日)から3年以内に、全国の最低賃金の状況を踏まえて判断」とされ、確定した施行日はまだ固定されていません。もう一つの「従業員数(企業規模)要件」は、2027年10月から2035年10月にかけて段階的に撤廃されます。一方、週20時間以上という労働時間の要件は残ります

つまり「撤廃=保険料が要らなくなる」ではなく、賃金や会社の規模による線引きがなくなり、週20時間以上働けば社会保険に加入する方向への見直しです。時期と中身の詳細は106万の壁は撤廃?いつからなくなるで解説しています。

130万の壁との違いは?

106万の壁とよく混同されるのが「130万の壁」です。どちらも社会保険の壁ですが、意味が違います。

意味保険料
106万円の壁
(月8.8万円)
条件を満たす勤務先で本人が社会保険に加入するライン会社と折半
130万円の壁配偶者などの扶養から外れるライン(勤務先の加入条件を満たさない働き方で意識)国保・国民年金なら全額自己負担

勤務先の加入条件を満たす人は106万相当で先に加入します。130万の壁の中身は130万の壁とはで詳しく整理しています。

加入すると手取りはどう動く?——ツールで確認

106万の壁を超えて保険料を負担し始めると、超え方によっては「年収は増えたのに手取りが減る」働き損の谷ができることがあります。手取りナビの年収の壁シミュレーションは、検証済みの計算式で年収別の手取りを出し、壁の前後で手取りがどう動くかを確認できます。入力内容はブラウザ内で計算され、送信・保存されません。

🧱 あなたの年収で「壁」と手取りを診断する(年収の壁シミュレーション) 📋 年収の壁 早見表(年収別の手取り・壁の一覧)

よくある質問

Q. 106万の壁とは何ですか?
106万の壁とは、条件を満たす勤務先で本人が社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する年収ラインのことです。主な条件は、週の所定労働時間20時間以上・月額賃金8.8万円(年収約106万円)以上・2か月を超える雇用見込み・学生でない・従業員数など勤務先の適用要件を満たす、の組み合わせです。加入すると保険料は会社と折半になります。
Q. 106万の壁の加入条件は何ですか?
主な条件は5つで、①週の所定労働時間20時間以上、②月額賃金8.8万円以上、③2か月を超える雇用見込み、④学生でない、⑤従業員数など勤務先の適用要件を満たす、の組み合わせです。適用対象となる企業の範囲は段階的に拡大されているため、自分の勤務先が対象かは勤務先または年金事務所にご確認ください。
Q. 106万の壁を超えると月いくら引かれますか?
月収8.8万円・東京都・39歳以下の場合、本人負担は月約12,900円(健康保険約4,300円+厚生年金8,052円+雇用保険440円+子ども・子育て支援金101円)で、手取りは約75,000円になります(2026年度料率の概算)。保険料は会社と折半で、厚生年金に加入する分だけ将来の年金が増えるメリットもあります。
Q. 106万の壁は撤廃されますか?いつからなくなりますか?
2025年(令和7年)に成立・公布された年金制度改正法で、月額賃金8.8万円という賃金要件は撤廃される方向です。時期は法律の公布(2025年6月20日)から3年以内に全国の最低賃金の状況を踏まえて判断するとされ、確定した施行日はまだ固定されていません。従業員数(企業規模)要件は2027年10月から2035年10月にかけて段階的に撤廃されます。週20時間以上という労働時間の要件は残ります。
Q. 106万の壁と130万の壁の違いは何ですか?
106万の壁は、条件を満たす勤務先で本人が社会保険に加入するラインで保険料は会社と折半です。130万の壁は、配偶者などの扶養に入れる年収の上限で、超えると自分で社会保険に加入します。勤務先の加入条件を満たす人は106万円相当で先に加入し、満たさない人は130万円で扶養を外れて国民健康保険・国民年金に加入します。

年収別の手取りは手取り計算ツール【2026年対応】で確認できます。次に読む: 加入したときの実額はパートの社会保険料(社保加入の入口)、扶養を外れる壁は130万の壁とは、賃金要件の撤廃は106万の壁は撤廃?いつからなくなる、壁の全体像は年収の壁とは(税と社保の整理)へ。

🧱 あなたの年収で「壁」と手取りを診断する(年収の壁シミュレーション)
本記事は一般的な制度の解説で、金額・条件・時期は概算・目安です(2026年7月時点。2025年成立の年金制度改正法および厚生労働省・日本年金機構の公表情報に基づく)。社会保険の加入判定は勤務先の状況により異なり、適用対象は段階的に拡大されています。賃金要件の撤廃時期は最低賃金の動向を踏まえて判断されるため確定していません。最終的な加入判定は、勤務先・年金事務所にご確認ください。個別のご相談には対応していません。
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参考にした一次情報