給料の「引かれるお金」がぜんぶわかる

最終更新: (2025年成立・年金制度改正法/厚生労働省の情報に基づく)

106万円の壁は「撤廃」?いつからなくなるのか——年金制度改正法(2025年)で解説

結論として、2025年(令和7年)6月に成立・公布された年金制度改正法で、106万円の壁のうち「月額賃金8.8万円(年収約106万円)以上」という賃金要件は撤廃される方向です。ただし撤廃の時期は「公布から3年以内・最低賃金の動向を踏まえて判断」とされ、確定した施行日はまだ固定されていません(公布は2025年6月20日)。もう一つの「従業員数(企業規模)要件」は2027年10月から2035年10月にかけて段階的に撤廃されます。「撤廃=保険料が要らなくなる」ではなく、週20時間以上働けば会社の規模や賃金に関係なく社会保険に加入する方向への見直しです。以下は概算・目安で、最新の施行時期は厚生労働省でご確認ください。

まず結論:「106万の壁」の何が撤廃されるのか

いわゆる「106万円の壁」は、勤務先で社会保険に加入する条件の組み合わせです。今回の年金制度改正法では、そのうち2つの条件が撤廃され、1つの条件は残ります。下の表で整理します。

条件今後どうなる?
賃金要件
月額賃金8.8万円
(年収約106万円相当)
撤廃の方向。時期は公布(2025年6月20日)から3年以内に、最低賃金の状況を踏まえて判断。確定した施行日はまだ固定されていない
企業規模要件
現在は従業員50人超
段階的に撤廃。2027年10月から2035年10月にかけて、対象企業の従業員数の下限を段階的に引き下げ(厚生労働省資料)
労働時間要件
週20時間以上
残る。改正後は、週20時間以上働けば会社の規模・賃金に関係なく社会保険に加入する形へ

※時期・要件は概算・目安です。最新の施行スケジュールは厚生労働省・勤務先でご確認ください。

「いつからなくなる?」——賃金要件の時期はまだ流動的

検索で多い「106万 なくなる いつから」という疑問ですが、賃金要件(月8.8万円)の撤廃には、いまのところ固定された施行日がありません。年金制度改正法では、この要件を公布(2025年6月20日)から3年以内に、全国の最低賃金の状況を踏まえて撤廃するとしています。最低賃金が上がると、週20時間働けば自然に月8.8万円を上回るようになるため、賃金の線引き自体を意識する必要がなくなっていく、という考え方です。

そのため、「〇年〇月にきっぱり撤廃」と断言できる段階ではなく、遅くとも公布から3年以内に撤廃される見込みと理解しておくのが正確です。具体的な施行時期が決まれば厚生労働省から案内されるため、最新情報は公的機関でご確認ください。

企業規模要件は2027年から段階的に撤廃

もう一つの「従業員数(企業規模)要件」は、現在の従業員50人超という基準を、約10年かけて段階的に引き下げて撤廃していきます。厚生労働省の資料では、対象企業の従業員数の下限を次のように引き下げる予定とされています。

時期対象に加わる企業規模(目安)
2027年10月従業員36人以上
2029年10月従業員21人以上
2032年10月従業員11人以上
2035年10月従業員10人以下まで(完全撤廃)

※厚生労働省の資料に基づく段階的スケジュールの目安です。個人事業所の扱いなど例外もあり、最新の対象範囲は勤務先・年金事務所でご確認ください。

「撤廃」で手取りはどうなる?——誤解に注意

「壁が撤廃される」と聞くと保険料がなくなるように感じますが、実際は社会保険に加入する対象が広がる方向の見直しです。加入すれば保険料の負担は増えますが、厚生年金で将来の年金が増える・保険料が会社と折半になる・傷病手当金などの給付を受けられるといったメリットもあります。加入したときに月いくら引かれるかという実額と加入条件はパートの社会保険料(106万・130万の壁)で解説しています。なお、130万円の壁(配偶者などの扶養に入れる条件)は今回の見直しの対象ではなく、収入要件に変更はありません。130万円を超えたときの流れは130万円を超えたら連絡は来る?で解説しています。

加入すると手取りはどう変わる?——ツールで確認

社会保険に加入すると手取りは確実に減りますが、超え方によっては働き損の谷ができることもあります。手取りナビの年収の壁シミュレーションは、検証済みの計算式で年収別の手取りを出し、壁の前後で手取りがどう動くかを確認できます。入力内容はブラウザ内で計算され、送信・保存されません。

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よくある質問

Q. 106万円の壁は撤廃されますか?
2025年(令和7年)に成立・公布された年金制度改正法で、「月額賃金8.8万円(年収約106万円)以上」という賃金要件は撤廃される方向です。もう一つの「従業員数(企業規模)要件」も段階的に撤廃されます。一方、週20時間以上という労働時間の要件は残ります。賃金や会社の規模による線引きはなくなり、週20時間以上働けば社会保険に加入する方向への見直しです。
Q. 106万円の壁はいつからなくなりますか?
賃金要件(月額8.8万円)の撤廃は、法律の公布(2025年6月20日)から3年以内に、全国の最低賃金の状況を踏まえて行うとされ、確定した施行日はまだ固定されていません。企業規模要件は2027年10月から2035年10月にかけて段階的に撤廃される予定です。最新の施行時期は厚生労働省の情報でご確認ください。
Q. 撤廃されたら保険料は払わなくてよくなりますか?
逆で、社会保険に加入する対象が広がる方向の見直しです。賃金要件や企業規模要件がなくなることで、これまで対象外だった人も週20時間以上働けば加入します。保険料の負担は増えますが、厚生年金で将来の年金が増える、保険料が会社と折半になるといったメリットもあります。加入条件と実額は社保の壁の記事で解説しています。
Q. 130万円の壁も撤廃されますか?
130万円の壁(健康保険の被扶養者の収入要件)は今回の見直しの対象ではなく、年収130万円未満という収入要件に変更はありません。106万円の壁(勤務先で社会保険に加入する条件)と130万円の壁(配偶者などの扶養に入れる条件)は別の制度です。130万円を超えたときの流れは別の記事で解説しています。
Q. 企業規模要件はいつ撤廃されますか?
従業員数(企業規模)要件は、厚生労働省の資料によると2027年10月から2035年10月にかけて、対象となる企業の従業員数の下限を段階的に引き下げて撤廃していく予定です。約10年かけて段階的に縮小・撤廃されるため、勤め先の規模によって加入対象になる時期が変わります。最新の対象範囲は勤務先・年金事務所でご確認ください。

年収別の手取りは手取り計算ツール【2026年対応】で確認できます。次に読む: 社会保険の壁は社保の壁(106万・130万)、130万を超えたら連絡は来る?扶養を外れる流れ、交通費の扱いは130万円の壁に交通費は含む?、壁の全体像は年収の壁とは(税と社保の整理)へ。

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本記事は一般的な制度の解説で、時期・内容は概算・目安です(2026年7月時点。2025年成立の年金制度改正法および厚生労働省の公表情報に基づく)。賃金要件の撤廃時期は最低賃金の動向を踏まえて判断されるため確定していません。企業規模要件の段階的スケジュールや個人事業所の扱いには例外があり、実際の適用対象・時期は今後の政省令などで具体化されます。最終的な加入判定は、勤務先・年金事務所にご確認ください。個別のご相談には対応していません。
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参考にした一次情報