最終更新: (2026年度・令和8年度の制度に対応)
出産育児一時金と出産手当金の違い——両方もらえる?
結論: 出産育児一時金は「出産費用」にあてる一律の給付で1児50万円(2023年4月〜)。出産手当金は「産休で休んだ間の給与補償」で額面の約2/3を休んだ日数分。目的・対象・金額の決まり方がすべて違い、条件を満たせば両方もらえます。名前が似ていて混同しやすいので、この記事で違いをスッキリ整理します。
ひとことで言うと
| 出産育児一時金 | 出産の「費用」を助ける。1児50万円の一律定額(だれが産んでも同額) |
|---|---|
| 出産手当金 | 産休で減った「給料」を補う。額面の約2/3 × 休んだ日数(月給で変わる) |
「費用」を助けるのが一時金、「給料」を補うのが手当金、と覚えると混同しません。
違いを一覧で比較
| 項目 | 出産育児一時金 | 出産手当金 |
|---|---|---|
| 目的 | 出産費用の補助 | 産休中の給与の補償 |
| 金額 | 1児50万円(制度未加入医療機関・在胎22週未満は48.8万円) | 日額=平均標準報酬月額÷30×2/3 × 休んだ日数(産前42日+産後56日=目安98日) |
| 対象 | 被保険者本人・被扶養者どちらも(扶養は家族出産育児一時金) | 健保の被保険者本人のみ(扶養の専業主婦は対象外) |
| 金額の決まり方 | 一律定額(給料に関係なく同額) | 給料(標準報酬月額)で変わる |
| 受け取り方 | 直接支払制度で医療機関へ直接支払いが一般的 | 申請後、指定口座へ振込(締日後・産後にまとめてが基本) |
| 税金 | 非課税 | 非課税(産休中は社会保険料も免除) |
条件を満たせば「両方」もらえる
一時金と手当金は目的が違うため、どちらか一方に限られるものではありません。健康保険の被保険者本人が産休を取って出産した場合は、両方が対象になります。例えば月給30万円の方なら、目安として次のようになります(当サイト試算・概算)。
| 出産育児一時金 | 500,000 円 | 出産費用にあてる(一律) |
|---|---|---|
| 出産手当金(98日分) | 653,366 円 | 日額6,667円 × 98日(月給30万円の例) |
| 合わせて | 約 1,153,366 円 | 費用の補助+給与の補償 |
出産手当金の金額は月給で変わります。自分の月給での目安は出産手当金 計算ツールで確認できます。一時金50万円は一律定額です(制度未加入医療機関・在胎22週未満は48.8万円)。
出産育児一時金の受け取り方(直接支払制度)
出産育児一時金は、多くの場合直接支払制度を使い、健康保険から医療機関へ直接支払われます。これにより、退院時に窓口で用意するお金を大きく減らせます。出産費用が50万円より少なければ差額が後から支給され、多ければ超えた分だけを窓口で支払います。制度を使わず、いったん全額を支払って後から申請する方法もあります。まとまった資金が振込まで届きにくい出産手当金と違い、一時金は費用の負担をその場で軽くしてくれるのが特徴です。
よくある質問
- Q. 一時金と手当金は何が違いますか?
- 一時金は出産費用の給付で1児50万円の一律定額。手当金は産休中の給与補償で、額面の約2/3を休んだ日数分(産前42日+産後56日など)受け取ります。目的・対象・金額の決まり方がすべて違います。
- Q. 両方もらえますか?
- はい、条件を満たせば両方受け取れます。被保険者本人が産休を取って出産した場合、一時金(50万円)と手当金(給与の約2/3×日数)の両方が対象です。
- Q. 専業主婦(夫の扶養)はどちら?
- 被扶養者は手当金の対象外ですが、家族出産育児一時金(1児50万円)は受け取れます。「一時金はあるが手当金はない」のが原則です。
- Q. 一時金はどう受け取りますか?
- 直接支払制度で医療機関へ直接支払われるのが一般的です。費用が50万円より少なければ差額が支給され、多ければ超えた分を窓口で支払います。
出産手当金の金額の目安は出産手当金 計算ツールで1分で試算できます。制度の基本は出産手当金とは、対象になるか不安なときはもらえないケースで解説しています。
本記事は一般的な制度の解説です(2026年7月時点。協会けんぽ・厚生労働省の公表資料に基づく概算・目安)。支給額や支給可否は、加入する健康保険や個別の状況、出産した医療機関により異なります。正確な内容は加入先や勤務先にご確認ください。個別のご相談には対応していません。
出産手当金 計算ツールで自分の金額を見る
参考にした一次情報
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「出産育児一時金」 — 2023年4月以降1児50万円(産科医療補償制度未加入・在胎22週未満は48.8万円)・被扶養者は家族出産育児一時金・多胎児は胎児数分・直接支払制度。kyoukaikenpo.or.jp(2026年7月21日取得)
- 厚生労働省「出産育児一時金等について」 — 令和5年4月から原則42万円→50万円に引き上げ。mhlw.go.jp(2026年7月21日取得)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「出産で会社を休んだとき(出産手当金)」 — 計算式・支給期間。kyoukaikenpo.or.jp(2026年7月21日取得)
- 出産手当金の金額例は当サイトの計算エンジン(傷病手当金と同一式・協会けんぽ公式計算例と突合済み)による実算値。一時金50万円は上記一次情報の固定額です。